【姫路の風景】陸軍第10師団の痕跡
よく知られているように、姫路には陸軍の第10師団が置かれていました。その駐屯地であったのが姫路城の周辺で、その痕跡が若干ですが残っています。
姫路城の保存を山県有朋に具申したという「姫路城の恩人」である「中村大佐顕彰碑」は、天守閣の見学コース上にありますので、比較的多くの人の目についていると思うのですが、姫路城の界隈には他にも軍関係の痕跡がいろいろとあります。
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例えば、天守閣の手前、三の丸広場の片隅にある「歩兵第10連隊跡碑」。この時には黒にゃんこ一匹だったのに、天守閣を見て回って戻ってくるともう一匹増えています。
また、三の丸広場に隣り合った姫路市立動物園からお堀を挟んだ外側には、兵庫県姫路護国神社があります。ここと兵庫県神戸護国神社とは、県内の戦没者を東西に二分して受け持つ同等同格の存在です。
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兵庫県姫路護国神社 第10師団 歩兵第39聯隊
護国神社らしく、境内には所属部隊関連の慰霊碑などが並びます。
さらに、この護国神社からお堀沿いを北に歩くと、天守閣を東から望むあたりに、「殉職警察官忠魂碑」など石碑の集まる一角があります。
そのまたさらに北側で目立っている煉瓦造りの建物が、姫路市立美術館。第10師団の兵器庫・被服倉庫として建てられ、戦後は姫路市役所として使われていたこともある建物です。
綺麗にリノベーションされており、建物自体に戦争当時の傷跡を見出すことは難しいです。が、姫路を襲った大空襲によってほとんどの建物が焼失した中で、姫路城とともにそれを乗り越えて残ってきたわけで、かつて姫路が軍都であったことを偲ばせる貴重な存在です。