観ましたよ、「釜山行き」。もちろん字幕版です。吹き替えだったら観ませんよ。
うん、これは実にいい映画ですね。よくできてるわ。めっちゃクオリティ高い。いつもの韓流枠を超えたところで封切りされたのもわかります*1。
まず、そのストーリーや登場人物の描写に、観る者の心をギュッとつかむ力があります。親しい者も愛する者も、善人も悪人も普通の人も、それとは関係ないところから飲み込んでしまう闇が迫る中で、人間は何を考えどう行動するのか。一瞬の隙が命取りになる状況に手に汗握り、最後の最後まで気が抜けない。
映像的には、ソウル駅や大田駅のような現地でロケをしたと思しき場面と、CGやセットで撮影したであろう場面との間のギャップがほとんど感じられません。とりわけ東大邱駅構内での逃避行からバトルに至る一連のシーンは圧巻です。
マドンソクが全開でいい味出してるし、コンユもカッコ悪いところからカッコいいところまで演じきってます。てか、Wonder Girlsのソヒがこんなに演技が達者だとは知りませんでした。
個人的には、某シーンで脳内に杉良太郎が聞こえてきたところが地味ながらツボでした。
♪人を愛して 人は心開き 傷ついて すきま風 知るだろう(ガラッ
あとは京釜線のトンネルでのエンディング、バス会社の常務様バージョンを想像してしまいました。観客は果たして、そのラストに理性を保つことができたでしょうか。