世界陸上地元開催を2年後に控える韓国陸上界

…にいろいろ問題があることがよくわかる記事ではありますけど、この見出しはハッキリ言ってミスリードじゃないですか?
現場の選手に責任を押し付けようとする態度は、個人的に大っ嫌いです。

記事入力 : 2009/08/25 16:04:02
世界陸上:記録に挑まない韓国の選手たち(上)
無気力に陥った韓国陸上

 「韓国は陸上競技の不毛地」といくら嘆いたところで、誰も関心を持とうとはしない。国民の誰もがすでに知っている常識でもあるからだ。2011年にテグで開催される世界陸上までちょうど2年となったが、韓国の陸上界は今も無気力に陥ったままだ。「1986年にソウルで開催されたアジア大会、88年のソウル五輪を最後に陸上競技の強化を目指す推進力は失われ、ここ20年はまさに眠りに落ちていたようなもの」という声まで聞こえてくる。

■生活のために現役を続ける選手ばかりで記録への挑戦はなし

 現場の指導者たちは「韓国の陸上選手たちは、自ら“井の中のかわず”であることを認め、国際的な舞台に挑戦しようとはしない。これが最も大きな問題だ」と嘆く。地方自治制が施行されると同時に、各自治体は先を争って小規模のチームを立ち上げた。全国体育大会、道民体育大会などの国内大会で活躍できる選手を確保する必要があったからだ。このような動きは結果的に、「適当に選手生活を送り、一定の収入と職場さえ得られればそれで良い」という式の「生活のために選手生活を続ける選手」ばかりを生み出した。

 男子マラソンのケースでは「2時間12分から15分ぐらいの記録を出せれば、市や郡のチームで1億ウォン(約800万円)台の契約金をもらうことができる」という話がある。もちろんこの程度の記録では国際大会では名刺も出せない。このような現状のため「やっても仕方ないのに、何のために苦労するのか」という敗北感が最初からまん延しており、手を上げる選手も、また選手の背中を押す自治体や民間団体もない。

 コーロンのマラソン部で監督を務めるチョン・ハジュン氏はこのような現状について、「選手たちが自らトレーニングを忌避している」と指摘する。「職場には通うが仕事はあまりやりたくないという“サラリーマン根性”とよく似ている」ということだ。女子棒高跳び韓国代表のイム・ウンジ選手を育てたイム・ソンウ氏(プサン市ヨンジェ区陸上チーム監督)は「選手たちが記録の向上よりも給料にばかり関心を持つ様子をみると、本当にイライラしてくる」と嘆いた。

http://www.chosunonline.com/news/20090825000066

記事入力 : 2009/08/25 16:04:06
世界陸上:記録に挑まない韓国の選手たち(下)
無気力に陥った韓国陸上

■長期計画を立てよ

 韓国の陸上競技を引っ張るべき立場にある大韓陸上競技連盟や、これを後ろから支援すべき関係当局のどちらにも積極的な姿勢はみられない。陸上界の関係者は「昨年11月に連盟が提示した陸上競技発展計画案を見ると、10年前に発表されたものと数字が変わっただけで内容そのものはほぼ同じ」と指摘する。またテグに世界陸上を誘致してからも、スポーツ関連の政府部処(省庁)が何らかの振興策を提示したという話は聞いたことがないという。

 韓国体育大学の金福柱(キム・ボクジュ)教授は「韓国の陸上競技に活力を吹き込むためには、10年先を見据えた中長期の計画が必要だ。テグ大会のためには今からでも可能性のある選手を探し出し、集中的に投資を行わなければならない」と強調する。果たして誰がそのような仕事をしているのか、という批判にも聞こえてくる。

 このような状況であるにも関わらず、テグ大会の組織委員会や陸上連盟は、大規模な国際大会を前に主導権争いばかりに没頭しているという。陸上連盟は「テグ大会の組織委は非専門家集団だ」と批判し、組織委は「陸上連盟は国際感覚が欠如している」と互いに不信の目を向けている。

 口ばかりで責任を持とうとする人間がいないため、韓国代表の練習もまさに「行き当たりばったり」だ。体育科学研究員の成奉柱(ソン・ボンジュ)研究員は「合宿に行っても科学的なデータ収集作業が行われていないため、次の練習には役にたたない。また選手たちを体系的に管理する仕組みもない」と指摘する。代表チームのある関係者は「現場のコーチには、代表チームの年間スケジュールや3カ月ごとの練習支援計画さえも伝えられないことがある」と語る。

 2007年3月にテグが世界陸上の誘致に成功した当時、「地方自治体が政治的な目的で韓国とは縁の薄い大会を誘致した」という非難が出たのも事実だ。またこのまま大会が終わってしまうと、地方自治体だけでなく陸上連盟や政府も同じように批判にさらされるのは避けられそうにない。

キム・ドンソク記者
チョン・セヨン記者

http://www.chosunonline.com/news/20090825000067