問題は、紹介者の側に

韓国政治史にいろいろな解釈があってもいい。
そのことに異存はないですし、下記の主張内容も理解はできます。
今のところ興味があるのは、これを受けて誰が何を語りだすかということですね。具体的には、ここから『朝鮮日報』が何を言い出すかというあたりです。

記事入力 : 2009/06/21 08:43:28
「金泳三氏と金大中氏の分裂が民主化に寄与」(上)
西江大・姜正仁教授「道徳は意図が重要だが、政治事件は結果で評価すべき」

 「1987年の大統領選挙で金泳三(キム・ヨンサム)氏と金大中(キム・デジュン)氏が分裂したのは、忍耐強い歴史の目を通して見た場合、軍部政権が漸進的に撤収できる退路を平和的に確保したことによって、民主化の過程を比較的順調に導いたものと評価できる」

 中堅政治学者の姜正仁(カン・ジョンイン)西江大学教授(55)は先月、韓国政治思想学会(会長徐炳勲〈ソ・ビョンフン〉)の主催で行われたシンポジウムで「予想外の」発表を行った。『韓国政治の進歩と保守』というテーマで発表した姜教授は、「1987年以降、民主化の過程で保守勢力の民主化に対する寄与が、仮に彼らが意図したことではないにしても、ある程度認められる」として、金泳三、金大中両氏の分裂、金泳三野党総裁(当時)の3党合併(軍事政権を受け継ぐ与党と野党2党の統合)と執権を例に挙げた。87年の大統領選挙当時、野党候補の単一化の失敗は、民主化運動の敗北あるいは汚点として記憶されている。しかし、民主化運動に寄与したとはどういうことなのか。今月2日、姜教授に直接会って、尋ねてみた。

 姜教授は「道徳の領域は意図が重要だが、政治の領域は結果が重要だ」と述べた。金泳三、金大中両氏の分裂について、姜教授の説明はこうだ。当時、もし二人が分裂せず、どちらか一人が大統領に当選した後、急進的な民主改革を望む進歩陣営の圧力を拒否していたならば、深刻な政治的混乱を招いたかもしれない。反対に、進歩勢力の圧力を積極的に受け入れ、全斗煥(チョン・ドゥファン)軍事政権の清算と民主改革を積極的に推進していたとしたら、強力な権力資源を持っていた軍事政権勢力が強力に反発しただろう、というものだ。

 姜教授はさらに踏み込んで、金泳三氏が3党合併の結果として民自党(合併後の政党名)の大統領候補として選出され、61年以降初の民主的選挙による民間人大統領として当選、就任後には民主的改革を推し進めたとして、その功労を評価した。学会では、金泳三氏の3党合併への参加は「野合だ」という見方が少なくない。

http://www.chosunonline.com/news/20090621000005

記事入力 : 2009/06/21 08:44:15
「金泳三氏と金大中氏の分裂が民主化に寄与」(下)

 しかし、姜教授は「権威主義的な保守勢力の養子であり、大統領選挙で圧倒的な支持を通じて大統領に選出された金泳三氏が軍部政権の残滓(ざんし)を清算したおかげで、その清算が比較的強い反発もなく受け入れられた」と説明した。盧泰愚(ノ・テウ)元政権と金泳三元政権を経て、軍事政権の中核勢力が政界からの撤退を受け入れる心の準備をするようになり、金泳三元政権時代に入り、二人の前職大統領に対する司法措置を含め不名誉な退出を受け入れたというわけだ。

 姜教授は「政治の場における特定人物の政治的行為や政治的事件は、その結果によって評価する知恵を学ぶべきだ」と述べた。姜教授は97年のDJP連合(金大中金鍾泌キム・ジョンピル〉両氏の連立)の一方として参加、保守的な国民が持つ金大中氏に対する拒否感を和らげ、金大中氏の大統領当選を助けた金鍾泌氏の役割も高く評価した。

 姜教授は韓国の保守と進歩が和解するには、韓国現代史において彼らが寄与した正当な役割を取り上げ、明らかにするのが重要だという。保守側については、「大韓民国の誇らしい歴史は、李承晩(イ・スンマン)元大統領による建国と朴正煕(パク・チョンヒ)元大統領による経済発展だけにあるのではなく、彼らの業績が進歩勢力の粘り強い闘争によって民主化として帰結したことで初めて可能だったという点を受け入れるべきだ」と指摘する。同時に進歩側については、「自由民主主義と資本主義を根幹とした李承晩元大統領と保守勢力の建国、そして朴正煕元政権の経済発展を土台にして87年の民主化が可能だったという点、またそれが持続可能な民主主義へと発展したという点を認めるべきだ」と主張する。

 実際に、姜教授が心配しているのは保守と進歩の理念的な葛藤ではない。「韓国政治の弊害は、保守と進歩の違いよりはむしろ、両方が共有する価値や文化に由来する場合が多い。権威主義、エリート主義、制度や手続きを無視する適当主義や人治主義、集団主義縁故主義がもたらす腐敗や汚職、反個人主義、男性優越主義、過度の民族主義国家主義、寛容さの不足などがそれに当たる」

キム・ギチョル記者

http://www.chosunonline.com/news/20090621000006