朴正熙元大統領の銅像建立計画が物議を醸す?

銅像についてはちょこちょこ書いたことがあります。したがって、『朝鮮日報』がこの手のニュースを大好きなことも知っています。

南山の安重根像

柳寛順の銅像をめぐるソウル市の言い訳

で、今回のお題は朴正煕元大統領のようです。

記事入力 : 2011/03/27 10:19:41
【萬物相】朴正熙の銅像

 1970年にこの世を去ったド・ゴール(フランス元大統領)は、遺言書に自分の銅像を建てないようにと明記した。だが、98年にフランス政府がパリにチャーチル(イギリス元首相)の銅像を建てると、それに刺激を受けたド・ゴールのかつての側近たちがド・ゴール銅像建立を推進し、遺族の同意を得た。ド・ゴールの30回忌を迎えた2000年、地下鉄シャンゼリゼ駅前の広場で銅像の除幕式が行われた。高さ3.7メートルの銅像が立つ3.8メートルの台座には、44年8月26日、パリが解放された日にド・ゴールが演説したときの言葉が刻まれている。「パリは凌辱され、破壊され、迫害された。しかしパリは解放された」

 2001年、米国ワシントンのフランクリン・ルーズベルト記念館に、車いすに乗ったルーズベルト銅像が建てられた。記念館にはすでに、高さ3メートルの銅像があったが、その銅像は、ルーズベルトが生前、車いすに乗った姿を人に見られるのを拒み、コートで車いすを隠したものだった。ルーズベルト車いすに座った新しい銅像は、障害者団体が6年間にわたり遺族を説得した末に誕生した。障害者たちは「リンカーン銅像よりも小さいが、困難を克服した人間を引き立てた」と話した。

 09年、米国議会の中央ホールでロナルド・レーガン大統領の銅像の除幕式が行われた。ナンシー夫人と議会の指導者らが参加する中、姿を現した銅像の高さは、実際の身長よりもやや大きい2メートルだった。銅像には、共産主義の没落を早めたレーガンの功績を称え、ベルリンの壁の残骸の一部が入れられた。

 今やレーニンの銅像はモスクワにしか残っておらず、東ヨーロッパでは次々に撤去され、溶鉱炉で処分された。スターリン銅像も昨年、故郷のグルジアで真夜中に撤去された。3メートルの台座の上に立つ高さ20メートルの金日成(キム・イルソン)の銅像だけが、今も平壌の万寿台に残っている。北朝鮮全域には金日成銅像が60体、石膏の胸像3万個以上が偶像として崇拝されている。今年10月、朴正熙(パク・チョンヒ)元大統領の銅像が、慶尚北道亀尾市上毛洞の生家に建てられる。台座2.7メートル、高さ8メートルの全身像で、コートをはおり手を高く挙げた姿が、金日成銅像のように権威的だ。

 歴代の大統領では、高さ7.3メートルの金大中(キム・デジュン)元大統領の銅像が、昨年の1周忌の際に、全羅南道道庁前の公園に建てられたが、建国大統領の李承晩(イ・スンマン)元大統領の銅像は、四月革命(4・19革命)の際に撤去されたまま、いまだ復活していない。このことについて批判が出ると、朴正熙銅像建立推進委員会は、6億ウォン(約4390万円)の募金を集め、より素朴で温和な雰囲気の銅像を建立すると表明した。パリの開放を記念するド・ゴール銅像も、高さ3.7メートルだ。ルーズベルトレーガン銅像はそれよりもっと小さい。広場ではなく生家に建てられる朴正熙の銅像は、小さい方がより共感を得られるだろう。

朴海鉉(パク・ヘヒョン)論説委員

http://www.chosunonline.com/news/20110327000013

何かもったいぶって書いていますが、要するにこういうことだったわけですね。

記事入力 : 2011/03/25 10:42:37
朴正熙元大統領の銅像金日成像にそっくり!?
銅像デザイン当選作めぐり物議

 慶州北道亀尾市上毛洞の生家近くに建立される朴正熙(パク・チョンヒ)元大統領の銅像デザイン当選作(写真左)が、北朝鮮平壌の万寿台にある金日成(キム・イルソン)主席の銅像(写真右)とよく似ており、物議を醸している。

 セマウル運動中央会亀尾市支会など亀尾地域の25の社会団体で構成された「朴正熙大統領銅像建立推進委員会」は24日、銅像デザインを公募した結果、ソウルの世宗大王像、三・一独立記念塔などを手掛けた弘益大学美術学部の金永元(キム・ヨンウォン)学部長の作品が当選したと発表した。作品は直径16メートル、高さ2.7メートルの丸い台座の上に高さ8メートルの銅像が乗っているもので、台座は花こう石や馬川石などで作られる。

 しかし、この銅像の姿勢や服装などが金日成像に類似しているとの指摘が上がっている。

 二つの銅像はいずれも膝丈のコート姿で、右手を肩より高く上げている。金日成像が手のひらを広げ空を指し示しているのに対し、当選作は腕の高さがやや低く、人さし指で前方を指さしているという違いはあるが、両方とも権威を象徴し、全体的によく似た雰囲気となっている。

 銅像建立推進委員会のパク・トンジン委員長は「推進委の会議でも、金日成像と似ているとか、見た目が権威的すぎるとの意見があった。最終的に建立する銅像では、剛直ながらも素朴で温和な朴元大統領の姿を表現したい」と話している。銅像は国民の寄付金6億2900万ウォン(約4550万円)を投じ、10月までに建立される。

崔宰熏(チェ・ジェフン)記者

http://www.chosunonline.com/news/20110325000032

ちなみに、朴正煕生家についてはこちらをご参照ください。見れば分かりますけど、母校である亀尾初等学校にはちゃんと朴正煕の銅像があります。

亀尾を訪れる。

朴正煕大統領を探して(1) 亀尾はプチ平壌だった

どんなものになるにせよ、草葉の陰の大統領閣下は、これ以上の銅像を決して望んではおられないのではないかと想像するのですが。

6億ウォンもあったら他のこともいろいろできるでしょうにねえ。