映画「国際市場で逢いましょう」を観る。

日本でもついに公開されましたので、観に行ってきました。

http://kokusaiichiba.jp/

韓国では1月に観ました。その時の話と、映画をめぐる論争の話などを、何度か記事にしています。

映画「国際市場」を観る。

映画「国際市場」をめぐるある「論争」

映画「国際市場」へのイデオロギッシュな期待と老人の貧困

映画「国際市場で逢いましょう」

今日の初回上映、11時過ぎ始まりで観ました。その回、120席程度のハコは満席、1日4回の上映はどれもほぼ満席だったようです。客層を見る限り、やはり東方神起の動員力は観客の半分を余裕で超えていたと思います。

この映画の感想については、韓国で観たときに書きました。ほぼ全編が釜山サトゥリで進行しますけど、それとは関係なく、ストーリーは字幕なしでもほぼ理解できていましたね、私ごときでも。スピーディーな展開を追っているだけで、内容はだいたい理解できるはずです。

ユンホ目当てでベトナム戦争の場面を待っていた東方神起ファンも、興南撤退の場面では涙し、ドクスとヨンジャの馴れ初めには声をあげて笑い、マクスンとの再会の場面では再び涙を絞っていました。映画作品としての出来のよさは、しっかり観客に伝わっていたと思います*1

せっかくですから、ユンホだけでなく、その他の登場人物やその歴史背景にも注目してもらえたらいいですね。


ともあれ、台湾の「KANO」と韓国の「国際市場」は、2014年現地公開/2015年日本公開の映画として、間違いなく双璧でしょう。多くの人に観てもらう価値のある作品だと思います。

映画についての反応もいろいろ目にしましたが、新聞の映画評として、朝日新聞産経新聞サンケイスポーツのものが目に付いたので、クリップしておくとします。

(評・映画)「国際市場で逢いましょう」 庶民から見た韓国現代史
2015年5月15日16時30分


16日公開

 韓国で歴代第2位の興行収入を記録しただけあり、“国民映画”の大きさがある。激動の歴史と、それに翻弄(ほんろう)されながらたくましく生き抜く家族の肖像。ヒットメーカーとして活躍するユン・ジェギュン監督の演出は決して細やかなものではないが、大衆の情緒に強く訴えかけるエネルギーに満ちている。

 物語は回想形式だ。小さな露店を営む老主人ドクス(ファン・ジョンミン)が波瀾(はらん)万丈だった自らの人生を振り返る。彼の一代記は、等身大の庶民から見た韓国の現代史をたどる物語でもある。朝鮮戦争とその後の困難、西ドイツの炭鉱への集団派遣、離散家族との再会……。主要キャストの多くは、メイクなどの力を借りて数十年にもわたる登場人物の推移を演じきる。

 力技の映画だが、史実を芝居とスタッフワークで再構築するフィクションならではの面白さがある。例えばのちに大企業「現代」の創立者となる青年など、実在の有名人が象徴的に絡んでくるのも創作の楽しさだろう。また時代の変化を迎え入れる定点の舞台として、“国際市場”という日常生活の場を用意した設定も効果的に活(い)きている。

 主人公が歴史上の重要なトピックを通過していく構成から、本作をアメリカ映画「フォレスト・ガンプ/一期一会」と比較する声が多いようだ。むろん納得できる評言だが、しかしあの映画のように映像技巧を凝らしたトリッキーな印象は薄い。むしろ、かつて日本中の観客を涙で濡(ぬ)らした木下惠介監督の「喜びも悲しみも幾歳月」などに近い真正直さが持ち味ではないか。すでにクラシックの薫りをたたえた一本だ。(森直人・映画評論家)

http://www.asahi.com/articles/DA3S11756006.html

2015.5.15 08:50更新
映画「国際市場で逢いましょう」 庶民目線で描く先人の苦労


「国際市場で逢いましょう」の一場面

 朝鮮戦争ベトナム派兵、離散家族の再会−。韓国の苦難の時代を生き抜いた家族を描き、韓国で大ヒットした「国際市場(いちば)で逢(あ)いましょう」(16日公開)は、さながら“韓国版「三丁目の夕日」”だ。ユン・ジェギュン監督(46)は「今の繁栄も父祖の努力や苦労があればこそ。それを『忘れない』という思いを込めた」と話す。(喜多由浩)

 1950年12月、主人公のドクス(ファン・ジョンミン)は朝鮮戦争の混乱の際、父親、幼い妹と離ればなれになってしまう。釜山・国際市場の露店「コップンの店」を手伝いながら、貧しい暮らしから抜け出せないドクスは63年、弟の学費を工面するため、西ドイツ(当時)で苛酷な炭鉱労働者になる。

 そこで、派遣看護師としてきていたヨンジャ(キム・ユンジン)と恋に落ち、結婚するが、74年には末の妹の結婚費用などを稼ぐため、今度はベトナム戦争へ行くことに。家長であるがゆえに、自分の夢は諦め、ひたすら家族のために身を粉にして働き続けるドクスにやがて、奇跡のような出来事が起きる…。

 主人公のドクスは、ユン監督の父親がモデルだ。韓国がまだ貧しく、苦難が続いた時代のエピソードが“てんこ盛り”で、そこが観客の涙を誘う。

 「韓国の現在の繁栄は決して『天から降ってきた』ものではなく、両親や祖父母の世代が血のにじむような努力や苦労を重ねてきた結果です。その世代が今や亡くなったり、引退する時期になったりしている。この映画で苦労をねぎらいたい、という思いが強かった」

 それは“苦難の時代”を知らない若い世代へのメッセージでもある。

 「若い世代は先人の苦労を知らないで、親たちを平気で無視したりする。日本も同じではありませんか。やはり、大きな戦争から立ち上がり、大変な苦労をして奇跡的な経済成長を成し遂げたのに、子供たちは、それを『当然のこと』だと勘違いしていますね」

 ところで、本作には、韓国の戦後史とは関わりが深いはずの「日本」が全く登場しない。“よくも悪くも”である。

 「意図的ではなく、『自然に』そうなった」としたうえで、ユン監督は「親の献身や家族の愛は万国共通の感情です。政治的に敏感な問題があるのは承知しているが、日本と韓国には似ている部分も多い。親近感もある。この映画は特に日本の若い世代に見てほしいと思っています」と話す。

 本作は、韓国でこれまでに1400万人超の観客動員を記録。同国映画史上歴代トップに迫る勢いだ。ユン監督は前作の「TSUNAMI−ツナミ−」(2009年)でも動員1千万人超を記録しているヒットメーカー。「一つは『運が良かった』こと。もう一つは『庶民の視線』で描くこと。何しろ私自身が根っからの庶民ですからね」と笑顔を見せた。


「主人公のドクスは、父親がモデルだった」と話すユン・ジェギュン監督

http://www.sankei.com/entertainments/news/150515/ent1505150007-n1.html
http://www.sankei.com/entertainments/news/150515/ent1505150007-n2.html
http://www.sankei.com/entertainments/news/150515/ent1505150007-n3.html

2015.5.16 12:19
映画「国際市場で逢いましょう」東方神起ユンホの存在感は想像以上/芸能ショナイ業務話

 韓国映画「国際市場(いちば)で逢いましょう」(ユン・ジェギュン監督)が16日、日本で公開された。釜山を舞台にしたヒューマンドラマで、韓国では観客動員1410万人を超え韓国歴代2位の大ヒットを記録。シリアスなシーンの中に平凡なひとりの男の生涯と釜山の歴史が鮮やかに描かれた。

 この映画を「ALWAYS 三丁目の夕日」の韓国版と呼ぶ人もいる。確かに懐かしい光景と家族の絆を描いている点では共通点が多い。しかし「国際市場〜」は韓国の激動の歴史と、それに翻弄された民衆の苦難という視点が色濃く出ている。タイトルにある「逢いましょう」にも、離散した家族が再会するための最後の手がかり、という意味合いが込められているのだ。

 コアな見どころとしてあげたいのは、女優、キム・ユンジン(41)の老けメイク。本格的スクリーンデビュー作品「シュリ」(1998年)で悲劇のヒロインを演じたことを記憶されている映画ファンにとっては感慨もひとしおだろう。

 主人公ドクスを演じた俳優、ファン・ジョンミン(44)の泣かせる演技も感動的だが、実在の歌手、ナム・ジンを演じた東方神起、ユンホ(29)も存在感があった。ユンホは「No Limit〜地面にヘディング〜」(2009年)や「野王〜愛と欲望の果て〜」(2013年)など数多くのドラマに出演しており演技力には定評がある。

 今回、ユンホは「国際市場〜」で本格的なスクリーンデビューを飾った。主人公の命を左右する大切な役どころで、劇中ではさりげなく歌声も披露。主要キャストの影に隠れるでもなく、かといって出しゃばっている感じもなく、それでいて華やかなオーラを放っているところがサスガ!なのであった。

   ×   ×

 同作の日本公開を記念して東京・大久保にコンセプトショップ「国際市場 新大久保店」(新宿区大久保1の13の6)がオープンした。釜山の国際市場を彷彿とさせる店内には、同作の撮影スチールパネルが多数展示されており、映画の世界観と釜山の魅力が楽しめる。(サラダ記念日)

http://www.sanspo.com/geino/news/20150516/geo15051612190021-n1.html

*1:ちなみに、ユンホの登場シーンを改めて観ましたが、記憶していたよりもいい演技をしていました。あの時は、そこまで注目して観てなかったからでしょうかね…。