へー。こんな本が出てたんですね。知らなんだ…。
三美スーパースターズ 最後のファンクラブ (韓国文学のオクリモノ)
- 作者: パクミンギュ,斎藤真理子
- 出版社/メーカー: 晶文社
- 発売日: 2017/11/13
- メディア: 単行本
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三美スーパースターズと言えば、個人的に思いだすのは関川夏央の『海峡を越えたホームラン』であり、イボムス主演の「スーパースター☆カムサヨン」であるわけですが、どちらもいい作品として印象に残っています。
海峡を越えたホームラン―祖国という名の異文化 (双葉文庫―POCHE FUTABA)
- 作者: 関川夏央
- 出版社/メーカー: 双葉社
- 発売日: 1997/01
- メディア: 文庫
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- 出版社/メーカー: 株式会社ポニーキャニオン
- 発売日: 2007/02/07
- メディア: DVD
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「懐かしい」…万年最下位だった「三美スーパースターズ」
Posted September. 14, 2004 22:37, Updated January. 01, 1970 09:00青色の三角パンティーに赤いマントをかけたスーパーマンが野球バットを持って立っている姿とは…。
当時はその姿がこの上なく田舎くさかった。しかし、消え去ってから20年が過ぎた今、人々はその田舎くさいスーパーマンを懐かしがっている。
映画「スーパースター、カム・サヨン」(Mr.Gam’s Victory、17日封切り)を契機に、万年最下位チームだった三美(サンミ)スーパースターズが改めて注目されている。
最近、ネイバーなど主な検索サイトでは、一様に「甘四用(カムサヨン)」が人気検索語「トップ10」に上がっている。また、「三美スーパースターズ」も主要検索語のうち一つ。
「三美スーパースターズ」に対する強い郷愁は昨年から起きた。「三美スーパースターズの最後のファンクラブ」と言う本が出版され大きな反響を得ていたところ、仁川(インチョン)を縁故にしたSKワイバンスが突風を起こしながら、韓国シリーズで準優勝を占めたのが決定的契機だった。今回の映画の封切りは「三美スーパースターズ・ブーム」の完結版であるわけだ。
映画のホームページに感想を書き込んだあるファンは、「私も三美スーパースターズのファンでした。率直に言って、三美は謝恩品も他の球団に比べて田舍臭かったが、それでも熱心に応援しました。チョン・クソン、張明夫(チャン・ミョンブ)のような選手たちに対する記憶は今も生き生きしてます」と歓迎した。
三美スーパースターズがプロ野球元年の後期リーグで記録した勝率は1割2分5里(5勝35敗)。まだ破れてない最低勝率だ。チームが売却された年の1985シーズン前半期には、18連敗をした。これもプロ野球通算最多連敗記録。
こんな最下位チームにファンが熱狂する理由は何なのか。三美スーパースターズの投手だった甘四用氏(47)は、「この頃は皆が暮らしにくい時ではないですか。試合をするたびに負けたけど、1982年当時の三美の選手たちは本当に一生懸命運動しました。このような挑戦精神が今も必要であるからでしょう」と言った。
「試写会で映画を見ましたけど、三美特殊鋼に通っていたシーンでは、自然に涙がこぼれ落ちましたね」。
1982年当時、甘四用のボールを受けた捕手出身のクム・クァンオク現代(ヒョンデ)ユニコーンズコーチ(47)は、「ボールは早くなかったけど、スローカーブは良かった。当時、我がチームは戦力があまりにも弱かったが、たまには強いチームにも勝ったので、『お化けチーム』と呼ばれた」と回想した。
プロ元年の1982年創立されて、1985年半ばにチョンボに売却されるまで、三美スーパースターズは335試合で120勝4分211敗(勝率0.363)の成績を残した。動物をシンボルにしていた他のチームとは違って、スーパーマンをチームのシンボルにし、チアリーダーはワンダーウーマンだった。
初年度は15勝65敗(0.188)の凄惨な成績を記録したが、翌年にはニックネームが「狸」だった在日出身投手の張明夫が、チームが行った100試合のうち、約60試合に出場し、空前絶後の30勝(16敗6セーブ、平均自責2.34)をおさめながら、チームを3位(52勝1分け47敗)に引き上げた。
金相洙
“그립다, 만년 꼴찌”
동아닷컴 입력 2004-09-14 20:58 수정 2004-09-14 20:58삼미 슈퍼스타즈가 사라진 지 20년만에 다시 뜨고 있다. 지난 시즌 인천을 연고로 한 SK 와이번스의 선전, 때맞춰 출간된 ‘삼미 슈퍼스타즈의 마지막 팬클럽’이란 소설, 17일 개봉 예정인 영화 ‘슈퍼스타 감사용’이 계기. 사진은 ‘슈퍼스타 감사용’에서 주인공 감사용 역을 맡은 영화배우 이범수.
こうした記事を読み返してみると、その本、この映画とほぼ同時期の著作なわけです。今さら、と言えるかもしれませんが、もしかしたら今こそ、なのかもしれませんね。
韓国の競争社会に日韓関係…韓国人作家が「野球」を通して伝えたいこと
北條一浩 2017.12.25 16:00 AERA
パク・ミンギュ/1968年、韓国・蔚山生まれ。作家。韓国で圧倒的な支持を集め、他の邦訳書に『カステラ』『亡き王女のためのパヴァーヌ』『ピンポン』がある(撮影/写真部・小原雄輝)
韓国で20万部超のベストセラー小説『三美(サンミ)スーパースターズ 最後のファンクラブ』。野球というスポーツを通して、韓国社会に人間にとって大切なことを問い続ける。著者であるパク・ミンギュさんがAERAのインタビューに答えた。* * *
誰にとっても記憶に刻まれる年というのはあるものだ。パク・ミンギュさんのデビュー作『三美スーパースターズ 最後のファンクラブ』の物語が始まる年であり、韓国人にとって忘れられない年といえば1982年。韓国でプロ野球が始まった瞬間である。
「68年生まれの私は、黎明期のプロ野球に熱中した世代です。みんな野球が大好きだったし、実際にプレーもしていました。そして私は、いつか野球の小説を書いてみたいと思っていたんです」
ミンギュさんが選んだのは三美スーパースターズ。かつて実在したプロ球団である。ぶっちぎりで弱いチームとして知られていた。
「当時勤めていた職場の近くに大きな公園がありました。IMF(国際通貨基金)危機の時期で、リストラされたことを家族に言えず、一日中そこで過ごす人がたくさんいたんですね。その光景を見て、弱すぎる三美をモチーフに小説を書いて彼らを励ましたいと思うようになったんです」
作中、最弱チームのファンクラブ会員だった少年2人は、やがて大人になり、まさにIMF危機を、そして自らの人生の困難を迎えることになる。それぞれの屈託の中で疎遠になっていた友人同士を再び結び付けたのは、やっぱり野球だった。
「私の中にはずっと、韓国はどうしてこんなに競争ばかりの社会になったのか?という疑問があります。野球は戦うスポーツではあるけれど、両チームが協力し合わなければゲームが成立しません。そのことをよく思い出してほしいのです」
日本では一部、嫌韓感情が渦巻いていることに話が及ぶと、ミンギュさんは冷静にこう語って締めくくった。
「日本には、いまある敵が必要なんだな、と受け取っています。私が子どもの時も“北”が敵だと洗脳されましたが、その対象が変わっているだけでしょう。大切なのは、若い世代に憎悪を再生産させないこと。韓国と日本は2600年くらい交流の歴史があると言われますが、対立していたのは実は100年くらいなんですね。隣国同士のこうした友好関係は、世界史的に見てもめずらしいんじゃないでしょうか。そのことを忘れず、競争ではなく、協力し合うことでこそ良い結果が生まれる、ということを実践していきたいですね」
弱すぎるチームと同居しながら、敗者のいない社会に向けた想像力を鍛えてくれる小説が、ここにある。(ライター・北條一浩)
※AERA 2017年12月25日号