三田市と神姫バスの通学問題

神戸新聞のこの一連の報道、三田だけで起きている話ではないはずなんですが、今回、三田市役所と神姫バスの連絡ミスや連係ミスが問題になって詳細が広く伝えられたんですね。ちょっと興味深いケースです。

それにしても、こういうバスって、通学利用がけっこうな割合を占めると思うんです。学校の行事日程と合わせるとかって発想は、神姫バス側になかったんでしょうかね…。ここはもともとの便が少なすぎて設定できないかもしれませんけど、夏休みや冬休みその他の学校休みの日に「学休ダイヤ」を設定したりすることも、路線バスなら少なくないと思うんですよ。兵庫県内の広大な地域でバスを走らせている神姫バスなら、そのノウハウはあるはずです。

利用者数減を食い止めるためには、たとえ増便が難しくて減便やむなしであっても、地域ニーズに最大限配慮したダイヤ編成を、神姫バス自身が模索すべきでしょう。最後の本庄小学校の場合のように、やればできるは魔法の合言葉なんですから。現場の声、大事です。

ちなみに、「波豆川」は「はずがわ」と読むんですねえ。今回調べて初めて知りました。検索したらコスモスの風景がいっぱい出てきます。


2019/9/25 05:30 神戸新聞NEXT
バス減便で中学生困惑 始業1時間前着く便しか…

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現行と10月以降の時刻表を掲示したバス停の標識。「減便」の文字は一切ない=三田市波豆川

 兵庫県三田市立上野台中学校の生徒が通学で利用する路線バスが10月1日から減便され、波豆川地区の生徒が午前6時54分の始発で登校するしかなくなることが分かった。生徒は管理責任者不在のまま始業まで約1時間を過ごすことになるが、市教育委員会は今月18日まで減便を把握しておらず、安全面への対応を打ち出せていない。市役所内での情報共有ミスが原因といい、地元では不安の声が上がっている。(高見雄樹)

 10月の減便とダイヤ変更について、神姫バスは6月、計画を市交通まちづくり課に連絡した。従来は減便やダイヤ変更が決まってからの連絡が多かったため、同課は「決定してから市教委や学校に連絡するつもりだった」と弁明する。神姫バスが今月、バス停に10月からの時刻表を掲示すると、地域に混乱が広がった。

 減便となるのは、波豆川と三田駅を結ぶ路線のうち、午前7時14分に波豆川を出発する便。10月1日以降は1日6便(三田駅発は7便)となり、波豆川地区に住む生徒5人は6時54分の始発に乗る必要がある。

 到着は7時20分ごろ。生徒は朝練習がある部活の顧問がいる場合を除き、管理責任者が不在のまま約1時間を過ごすことになる。

 同校は市内の8中学校で唯一、生徒が路線バスで通学している。校区内に狭い峠道が多いためだが、最近はバスの減便や時刻変更で、教育カリキュラムに影響が出ているという。

 2018年度には小野、乙原方面の出発時刻が5分早くなり、給食時間が5分短縮された。今年10月以降は小柿方面への出発が15分繰り上がるため、部活動の時間が確保できなくなる。

 減便について波豆川区長の今西庸市さん(49)は「企業の決定なので仕方がない」としつつ「事前に電話ででも知らせてくれたら地域で善後策を協議できたのに」と憤る。神姫バス計画課は「市内の路線は、ニュータウンの黒字を農村部の赤字解消に充ててきたが、利用減で仕組みが維持できなくなってきた」と説明。その上で「地域の思いを受け止め、丁寧に説明すべきだった」と陳謝した。

 市教委の外岡明文次長は「地元の関係者と協議を進めており、生徒や保護者に過度な負担を強いないような方策を示す」と話した。

 市は赤字路線の運行維持費として神姫バスに年間約5千万円、通学定期の購入補助として保護者に同約1500万円を助成している。

https://www.kobe-np.co.jp/news/sanda/201909/0012730233.shtml

2019/9/25 21:40 神戸新聞NEXT
三田市の通学バス減便問題 メール返信せず放置、市教委や地元に知らされず

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三田市役所

 兵庫県三田市役所内の情報共有ミスから、市立上野台中学校の通学バス減便を市教育委員会が把握していなかった問題で、市交通まちづくり課が今年6月、神姫バスから三田駅-波豆川線の減便案を聞いた後、同社から届いた修正案のメールに返信せず、放置していたことが分かった。また昨年秋、別路線を減便するという同社からの連絡が遅れ、市教委が対応に苦慮していたことも明らかになった。(高見雄樹)

 25日に急きょ開かれた市議会福祉教育・生活地域常任委員会で、市の久高輝之まちの再生部長は「生徒の通学路線という認識が不足し、通常のダイヤ改正と同じだと思っていた。多くの方に迷惑をかけ、反省するしかない」と陳謝した。

 同課によると、神姫バスからのメールは7月17日、同課副課長の個人アドレスに「バス路線につきまして」という題で送信された。10月1日に減便する波豆川線以外の路線情報も入っていたという。久高部長は「中身を見たが返信していなかった。何らかの返信はすべきだった」と答弁した。

 その後、減便の情報は市教委や地元に知らされず、9月17日に同社が新ダイヤの時刻表をバス停に掲示。それを見た住民からの連絡で初めて市教委が知った。

 市は今月30日までに、減便の影響を最小限に抑える方策を示すとしている。

 一方、昨年10月には、同校の生徒が下校時に利用する母子行きの最終バスが、手前の乙原止まりに変更された。母子地区の生徒4人はバスで帰る手段を失った。この連絡が神姫バスから市にあったのは約1カ月前。市教委が急いで対応を検討し、タクシーでの乗り合いに市が補助するなどの臨時措置を決めた。

 岡崎正文学校教育部長は「昨年の母子、今年の波豆川ともに急な減便の連絡で、もっと早く分かっていれば対応策があった」とし、「神姫バスとは学期ごとに情報交換をしているが、この件については教えてもらえず、抗議した」と述べた。

https://www.kobe-np.co.jp/news/sanda/201909/0012733640.shtml

2019/10/1 05:30 神戸新聞NEXT
異例…タクシーと公用車で通学支援 バス減便悩む中学生 三田

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生徒を乗せたタクシーが小柿発の神姫バスと接続する木器バス停=三田市木器(撮影・門田晋一)

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神戸新聞NEXT

 兵庫県三田市立上野台中学校の通学バスが10月1日から減便し一部生徒が始発で通学するしかなくなる問題で、市は減便の影響が出る波豆川-木器間で同日からタクシー2台と市の公用車を運行させる。市が30日発表した。対象の生徒は14人に上り、こうした対応は市内では初めて。期限は決めず、神姫バスのダイヤ変更などで問題が解決するまで続ける。(高見雄樹)

 同日から減便されるのは、波豆川口バス停を午前7時16分に出る三田駅行きの路線バス。生徒が通学するには同6時56分発の始発に乗り、学校で1時間近く待つことになる。

 そこで市は、小柿発三田駅行きのバスと接続する木器バス停までの3・1キロに、タクシーを投入することを決めた。利用するのは波豆川の5人と木器の9人。同7時40分に波豆川口を出て同46分に木器に着く。

 市内のタクシー事業者が協力して4人乗り2台を確保したほか、10人乗りの公用車を市職員が運転する。木器からはバスに乗車して通学する。

 市は神姫バスにダイヤの見直しなどを求めているが、バス運転手の不足などから通勤・通学時間帯の運行ダイヤには厳しい制約があるという。

 市の担当者は「タクシー運行の期限は決めていないが、できるだけ早く、安全な通学手段を確保できるよう、地域や保護者、神姫バスと協議していきたい」とする。

 減便されたバスで通学していた生徒の保護者は「1週間ほどの短い期間に、よく対応してもらえて感謝している。今後、木器でのバス乗り換えが必要になるなら、周辺の交通安全対策にも配慮してほしい」と話していた。

https://www.kobe-np.co.jp/news/sanda/201910/0012748357.shtml

2019/10/1 05:30 神戸新聞NEXT
バス減便、ダイヤ変更予告なく 三田・本庄小、一時的に授業短縮

 兵庫県三田市教育委員会は30日、本庄小学校の児童が通学で利用するバス路線のダイヤが予告なく変更されたため、10月1日から同校の授業スケジュールを一時的に短縮すると明らかにした。神姫バスからの事前連絡はなく、9月17日にダイヤ変更を知った住民からの指摘で初めて知った。

 午後2時33分に同小発の路線バス(33系統)が、10月1日から同2時13分発と20分繰り上がる。全校が一斉下校する月・金曜日の掃除と集会を取りやめる。

 市が同社に再考を求めたところ、10月21日からダイヤを10分繰り下げ、同2時23分発に再変更することにした。市によると、国に届け出た運行ダイヤを短期間で改めるのは異例という。(高見雄樹)

https://www.kobe-np.co.jp/news/sanda/201910/0012748355.shtml