【富山の風景】長岡墓地内、富山陸軍墓地・その2:富山陸軍墓地の周辺

こちらの続きですが、陸軍墓地については前回の記事に書き込んでしまったので、その周辺の情報などを。

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実際のその場に立ってみればわかりますけど、陸軍墓地はここ、長岡墓地のごくごく一部を占めているだけで、全体はかなり広いです。

しかも、単に広いだけではなく、旧富山藩主前田家の長岡御廟やその周辺の真国寺墓地と市営墓地・納骨堂が接するように展開していて、時代や形式の面で多種多様なお墓を見ることができます。

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こちらは「新」とついている通り、最近できたもので、規格化されたモダンな墓地の区画です。

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公設の納骨堂もあります。韓国の仁川家族公園の満月堂を縮小したような形をしています。内部も見せてもらいましたが、日本だとやっぱりこういう仏壇型になるんですね。
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基本的には、南側の道路に面したほう(陸軍墓地を含む)が古く、奥手や周辺部に新しい墓域がある、というのがおおむねの位置関係です。

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手前側には、第2次世界大戦以前の墓碑が多いだけでなく、空襲犠牲者や無縁仏をまとめた合葬墓などもあります。

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www.city.toyama.toyama.jp
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ところで、真国寺墓地の中でも市営共同墓地の側でもあちこちで目にするのが、軍人のお墓。それ自体はどこでも見られて、さして珍しいわけではありません。

しかし、そうしたお墓が、妙に立派過ぎる気がするのですが、私の気のせいですか?「いくら勲功があるとは言え、兵卒や下士官クラスまでそんな墓建てる?」と思わなくもないのですが…。

尉官クラス以上のお墓もあるにはあるんですけど、目につくのは圧倒的に下士官以下の人々のもの。阿部信行・林銑十郎といった陸軍大将・首相まで務めた大物が墓碑の字を書いているものも見られます*1

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同時代であれば、こうした個人墓はそれとして、軍=国家が管轄する軍人墓地に葬られることにも意義があったと思います。ただ、今となってみては、捨て置かれて顧みられることの少ない軍人墓地に比べて、一般墓地の軍人墓は比較的良好に保たれているように感じられます(富山だけではなく、わりと各地で)。

皮肉と言えば皮肉な話です。一面では「国立の墓地だからと言って、永久に保持されるわけではない」ということですし、他方で「誰が残された墓地を維持するのか」という問題でもあります。

では、富山編はサクッと短くこのへんで。次は…水戸だったかな。

*1:両者は金沢出身なので地元枠だと思われますが、井上清純(薩摩)の名前も見ました。