日大フェニックスのラフプレー問題:関学ファイターズの記者会見

否応なしに注目が集まった関西学院大学での記者会見。私も主要なところはネット生中継で視聴することができました。

www.youtube.com

日本大学からの回答および今後の対応について
2018/05/17

 日本大学アメリカンフットボール部(以下、「日本大学」といいます。)からの5月15日付回答書(以下、「本件回答書」といいます。)に対する弊部としての現時点での見解は、以下のとおりです。
 なお、本件回答書については、以下にPDFファイルで掲載いたしますので、あわせてご確認ください。
 【5月15日付日本大学からの回答書】(PDFファイル)

・まず、現在に至るまで日本大学の責任ある立場の方より、本件で被害に遭った選手およびその保護者に対し、直接の謝罪の申入れがなかったことにつき、遺憾の意を表します。5月24日迄に追加の回答をいただく際には、日本大学の部長および監督から弊部の被害選手・保護者へ直接謝罪していただくことを要望いたします。

・試合後1週間以上も経過しているにもかかわらず、本件回答書には本件に関する具体的な事実・経緯などチームとしての見解が記されていません。日本大学には、5月24日までに改めて1プレー目の反則行為に関して貴部が把握する事実、当該プレーに至った経緯、それまでの指導内容、試合後の対応等を具体的に回答していただきたく存じます。
 弊部が特に疑問を抱いているのは、なぜ昨年の甲子園ボウルや今春の試合ではルールの範囲内でプレーをしていた選手が、突然このような意図的で危険かつ悪質な行為に及んだのかという点です。どのような指示・指導があり、本人がどのように理解・判断してこのような行為に至ったのか、本件回答書が「問題の本質」とする、指導者による指導と選手の受け取り方との間の乖離について真摯な調査に基づいた具体的な説明をいただきたく存じます。

日本大学の指導者はルールに基づいた「厳しさ」を求めていたとのことですが、①極めて悪質な1プレー目が反則(アンネセサリーラフネス)とされた時点で、指導者が当該選手の交代を指示し、当該選手を厳しく注意・指導しなかったこと、②2回目の反則行為の時点でも同様に指導者が当該選手の交代を指示し、当該選手を厳しく注意・指導しなかったこと、③3回目の反則行為により当該選手が資格没収となってチームエリアに戻るに至っても、指導者が当該選手を厳しく注意・指導する様子がうかがえないこと、④試合後に内田監督が「あれぐらいやっていかないと勝てない。やらせている私の責任」(日刊スポーツ 5/6配信)とコメントしていること等を勘案すると、ルールを逸脱した行為を監督・コーチが容認していたと疑念を抱かざるを得ません。

・「監督に『責任はおれが取る』と言われていた」(MBS)「(日本大学)関係者は反則が内田正人監督の指示だったとも明かした」(日刊スポーツ)「『試合に出場したかったら、1プレー目で相手のQBを壊してこい』と指示した」(ハドルマガジン)など多数のメディアで日本大学の指導者が反則行為を指示したと思われる報道が相次いでなされています。仮にこれらの報道が事実とすると、本件回答書にある「規則に違反し貴部選手を負傷させる意図は全くなく,選手全員に『厳しさ』を求め,士気を上げるために行ったもの」という範疇を逸脱していると考えます。この点についても改めて真摯に事実確認を行っていただき、結果について5月24日の回答書において説明をしていただきますようお願いいたします。

 以上のとおり、本件回答書によって、弊部の抱える疑問、疑念を解消できておらず、現時点では誠意のある回答とは判断しかねると考えております。

 今後につきましては、本件回答書および5月24日までに届く回答書を踏まえ、対応を検討いたします。

 なお、近日中に行われる関東学生アメリカンフットボール連盟規律委員会による弊部へのヒアリングにつきましては、当該選手および保護者とともにチームとして全面的に協力する所存です。

2018年5月17日
関西学院大学体育会アメリカンフットボール

http://www.kgfighters.com/topics_detail2/id=1221

率直に言って、関西学院サイドの対応は極めて真っ当で誠実なものであったと思います。「嘘をつかず、正直に事実を話してほしい。そのうえで、きちんと謝罪してほしい」というのは、「その通りです」としか言いようがありません。

アメフット 関学大「日大との信頼関係は完全に崩壊」断言
毎日新聞2018年5月17日 20時08分(最終更新 5月17日 22時21分)

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日大の反則行為で、記者会見に臨む関学大アメフット部の小野宏ディレクター(左)と鳥内秀晃監督=兵庫県西宮市で2018年5月17日午後1時24分、小出洋平撮影

真相究明に程追い内容の日大回答、責任者から謝罪なく…

 アメリカンフットボールの日大-関学大定期戦(6日、東京・アミノバイタルフィールド)で日大守備選手が反則行為を重ねた問題について、関学大の鳥内秀晃監督と小野宏ディレクターは17日、日大に対する不信感をあらわにした。関学大が抗議文(10日付)で求めた「反則プレーに至る経緯やそれまでの指導内容などを含めたチームとしての見解」が盛り込まれず、真相究明には程遠い内容の日大の回答に加え、内田正人監督ら責任者から謝罪のない現状に小野ディレクターは「両校はライバルとして深いつながりがあるが、今は決定的に信頼関係は損なわれ、完全に崩壊している」と断じた。

 問題の反則プレーについては既に複数の関係者が「監督の指示」と明かしており、「最初のプレーでQBを壊せ」などと指示していたという。しかし、日大の回答では内田監督の発言内容を具体的に記さないまま、「選手の受け取り方に乖離(かいり)が起きていた」「試合前ミーティングでの監督の発言は、規則に違反して相手選手を負傷させる意図は全くなく、選手全員に『厳しさ』を求め、士気を上げるため」などと釈明している。

 これに対し、鳥内監督は「選手との乖離というなら、最初の反則で選手をベンチに下げて『求めている厳しさはそれではない』と言うべきだ」と主張。「そういう厳しさをチームに求めたなら、みんながああいうプレーをするはずだが、やったのは一人だけ」とも指摘し、回答内容に納得していなかった。さらに「あの監督のもとにコーチがいる。(監督に)意見を言えない可能性がある。それで学生を守れるのか疑問。受け入れられない」と日大指導陣全体を非難した。

 小野ディレクターも「反則行為を監督・コーチが容認していたと疑念を抱かざるを得ない」として「日大が自浄能力を持って真相を究明し、関東学生連盟もきちんと調査してほしい」と訴えた。

 負傷したQBは右膝軟骨損傷などで全治3週間と診断され、後遺症などは残らない見込みだが、現在も練習に復帰していない。刑事告訴など法的措置の可能性について小野ディレクターは「本人や家族が決めること」と否定しなかった。

 大学日本一を決める毎日甲子園ボウルの優勝回数は関学大が歴代最多28回、日大は同2位の21回。内田監督は昨年12月の同ボウルで日大を27年ぶりの優勝に導いた。【来住哲司、倉沢仁志】

日大の回答書に対する関学大の見解◇

・部長および監督から、被害選手や保護者への直接謝罪を要望する。

・1プレー目の反則行為で把握している事実や経緯、試合後の対応など具体的な回答を求める。

・反則行為をした選手を交代させず、退場処分後も注意・指導される様子がうかがえない。ルールを逸脱した行為を監督・コーチが容認していたと疑念を抱かざるを得ない。

・多数のメディアで日大の指導者が反則行為を指示したという報道が相次いでおり、改めて事実確認を行い、5月24日の回答書で説明を求める。

・関東学生連盟によるヒアリングには、被害選手および保護者とともにチームとして全面的に協力する。

https://mainichi.jp/articles/20180518/k00/00m/050/061000c

アメフット 「非常に悪質だ」関学大の記者会見・一問一答
毎日新聞2018年5月17日 20時41分(最終更新 5月17日 22時21分)

 アメリカンフットボールの日大-関西学院大定期戦(6日、東京・アミノバイタルフィールド)で日大守備選手が反則行為を重ねた問題で、関学大アメリカンフットボール部の鳥内秀晃監督と小野宏ディレクターは17日行った記者会見の一問一答は次の通り。

 --回答書を受け取った状況は。

 ◆小野宏ディレクター(D) 5月15日に日大のコーチが持参して、スタッフに手渡した。

 --一連の対応についてどう考えるか。

 ◆鳥内秀晃監督 指導者による指導と選手の受け取り方に乖離(かいり)があったということだが、もしそうならば、あのプレーが起こった時に、なぜベンチに戻して「(厳しさとは)そういうことではない」と言えなかったのか。あれを受け入れたら、スポーツは成り立たない。非常に悪質だ。次の日にでも、やはり責任者が直接謝罪するというのが筋。同じ指導者としては到底、受け入れられない。我々も指導しているが、やはり汚いプレーや反則プレー、相手を故意に傷つけるということはやるなと指導している。「もし重篤な事故が起これば、君らも背負うことになるよ」と前から言っている。

 --日大の内田正人監督が、公の場で発言していないことについて。

 ◆鳥内監督 監督、そして日大の中でも地位のあるところにおられる。はっきりと記者会見し、おわびの一言をとは思う。

 ◆小野D なぜこういうことが起きたのかという真相の究明こそが大事。そのことが解決へとつながっていく。

 --回答書は負傷選手も見たのか。警察への告訴は。

 ◆小野D 回答書はすぐ、被害選手の父親に送った。本人が見ているかどうかは、ご家族の中で判断していると考えている。警察に関しては、主体は本人、家族なので言及は避けたい。

 --今回のことは選手か、または監督の責任か。日大の回答に誠意が感じられなかった場合、損害賠償などの法的対応を考えているのか。

 ◆小野D 現時点の回答で、1プレー目の行為が選手か監督(の指示)かは判断できない。プレーヤー責任は間違いないが、監督責任については真相究明してほしい。24日までに届く回答に誠意がない場合は、定期戦は行わない。法的対応については家族の問題でもあるので、我々からの言及を控える。

 ◆鳥内監督 スポーツにはルールがある。あのプレーは悪質、故意である。あれを認めてしまうと、スポーツではなくなってしまう。あってはならないことが起こってしまった。そこに何があったのか、真相究明が私の望むところだ。

 --回答を見た時の感情は。

 ◆鳥内監督 指導者は学生の安全を守ることが一番。なぜ、そのまま出し(続け)たのか。1プレー目で起こったならば、あのプレーを見た瞬間にベンチに下げ、私であれば「この試合は駄目だ。求めている厳しさは、ああいうのではない」と言う。

 --社会問題になっていることに対して。

 ◆鳥内監督 こんな形で社会問題化しているのは非常に残念でならない。見れば見るほど、あのプレーは、これからフットボールをやろうとしている人の中で非常に危険ととられかねない。40年やっていて、初めて見た。あり得ない。こういう形で取り上げられるのは残念だ。

 --納得する回答とは。

 ◆小野D 誠意ある回答を求めているが、結論を押しつけるようなものではない。調査に基づいて、真相を究明してもらうこと。より具体的に言うなら、なぜ1プレー目が起こったのか。具体的事実が示され、納得できるものであれば誠実な回答だと言えるのではないか。

 --仮に監督からの指示だった場合は。

 ◆小野D 仮定の話なので。指示があったかだけではなく、総合的に勘案することが必要だ。

 --関学にとって日大の存在は。

 ◆鳥内監督 長い歴史の中で良いライバルでやってきた。ああいう事件が起こってしまうと、非常に残念。

 --日大との関係性は。

 ◆小野D 各世代で深いつながりを持って、いろいろな懇親を続けている。こういうことが起きたこと自体、そもそも信じられない。長い歴史に基づくOBとのつながりは今も変わらない。だが、今の両チームは決定的に信頼関係が損なわれている。完全に崩壊している。

 --内田監督の責任は。

 ◆鳥内監督 現場での責任者は監督だ。自分のチームでああいうことがあったというのは、監督の責任だと思う。

 --違反行為をした選手に今後、アメフットをする資格はあるか。

 ◆小野D どういう事情があったにせよ我々は生命に関わる危険で悪質なプレーと考えている。その行為自体が許されるものではない。ただ、なぜ突然あのプレーをしたのか真相究明されるべきだ。真実を解明することは、彼の人生のためにも必要だと思う。

 --内田監督をどのようにみているか。

 ◆鳥内監督 内田監督は厳しい指導で有名。ああいう事故が起こったわけだから、すぐにでも謝罪すべきだったと思う。後手後手に回っておかしくなり、(問題が)大きくなっていると思う。まずは我々の学生、保護者に謝罪は必要だと思う。

 --仮に同じプレーが関学で起こった場合は。

 ◆鳥内監督 うちのチームでは絶対ない。あり得ない。

 --今回の問題はソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)で拡散された。

 ◆小野D 試合当日は我々も見ていたが、誰一人、(QBが)タックルされたことを認識していなかった。ボールが投げられ、視界から完全に離れているところで行われていた。翌日からSNSにかなりの反応があった。昔であれば映像がなく、水掛け論で終わっていただろうが、(今はSNSで)あらゆるところで記録が残る。正直、ここまで大きな記者会見を開くことは想定しなかった。

 --日大との信頼関係が完全に崩壊したとのことだが、それは日大の監督・コーチ陣への信頼が崩壊したのか。

 ◆鳥内監督 監督にコーチが意見を言えていない可能性があり、それで学生を守れるのか。我々とは指導の仕方が全然違う。やはり受け入れられない。

 --タックルを受けたQB選手から報告はあったのか。

 ◆鳥内監督 被害を受けた選手自身が、どういうことが起こったのか分かっていなかったと思う。「レイト(タックル)でやられ、ひねられた」と。私自身もあのタックルを見ていないので、そこまで重篤だと思わなかった。(タックルを知って)後に大丈夫かと聞いた。

 ◆小野D 私からも電話をかけたり直接会おうとしている。だが、この2日間は風邪で休んでいる。今後、ケアをしていきたいと思っている。

 --被害選手の家族は。

 ◆小野D 家族はものすごく憤っている。プレーに関してや相手監督についての疑念、何よりも自分たちに対して謝罪が行われていないことへの憤りだ。できるだけ早く回復し、プレーに専念できる環境を作りたいと思っている。

 --被害選手は練習に復帰しているのか。

 ◆小野D まだ復帰していない。試合翌日に診察を受けて、膝の軟骨損傷と腰部打撲で全治3週間ということだった。だが、その2日後に左脚にしびれがあると訴えた。あれだけのタックルを受けたので精密検査を受けたが、現段階では神経に問題は無いということで安心している。本人も少しずつ良くなっていると言っているし、医師によると痛みがなくなったら練習に参加できるということだ。

 --違反行為をした選手の状況は。

 ◆小野D (関学大が)抗議文書を発送したのが5月10日。11日朝、日大コーチから電話があって「今から当該選手を連れて謝罪に行きたい」という連絡があったが、抗議文書を見ておらず、正式な回答や責任者の謝罪を求めていたのでお断りした。本人が謝罪したいという意思を示したことは大切なことだと思う。だが、選手だけの謝罪を受け入れるかというのは難しいところ。責任者と一緒に謝罪をするということが、被害を受けた選手、保護者、さらに当該本人にも大事なことだと思う。現段階で連絡はない。

https://mainichi.jp/articles/20180518/k00/00m/050/079000c

日大フェニックスのラフプレー問題:関学ファイターズの記者会見を前に、日大の見解を確認する。

関西学院大学の記者会見については、また改めて取り上げるとして、その前にまず日大フェニックス側が出している見解(と思われるもの)を拾い上げておきます。

www.nikkansports.com

 最初の守備でDLが、不必要なラフプレーの反則を連発した。さらにプレー後に相手を殴って、資格没収=退場となった。「力がないから、厳しくプレシャーをかけている。待ちでなく、攻めて戦わないと。選手も必死。あれぐらいやっていかないと勝てない。やらせている私の責任」と独自の持論を展開した。

www.j-cast.com

日大広報「(チームからの指示は)ありません」

一方、日大の広報担当者は14日の取材に対し、「当然ですけれども、監督やコーチがああいったプレーを指示した事実はありませんし、それはありえません」と断言。その上で、該当の選手が故意に悪質なタックルをした事実もないとして、

「あくまでプレーは瞬間的なものですので、こちらとしては、今回の件は偶発的なアクシデントだったと認識しております」

と話した。

www.youtube.com

2018.05.16.
悪質タックル問題 監督指示は「あり得ない」日大が全否定

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日大の内田正人監督

 6日に行われたアメリカンフットボールの日大と関学大との定期戦(東京・アミノバイタルフィールド)で、関学大クォーターバック(QB)選手が日大守備選手から悪質なタックルを受けて負傷した問題で、日大の広報が16日、デイリースポーツの取材に応じた。問題のプレーが内田正人監督の指示によるものであったという一部報道もあるが、担当者は「それはあり得ない」と全面的に否定した。

 日大は、関学大からの抗議文に対し、15日に回答を提出した。文書の内容については明かさなかったが、日大側は内田監督をはじめ指導者、選手に聞き取り調査をしたという。その上で、指揮官が危険なプレーを指示したとされることについて、「指導者も選手も誰もそんなことは言っていない」と断言。あらためて故意によるプレーではないとし、「試合の中で残念ながら偶発的に起こってしまったアクシデントだと認識している」との認識を示した。

 内田監督は問題が起きた試合以降、対外試合を含めて公の場に姿を現していないが、担当者は「(指揮を)自粛しているわけではなく、仕事などが忙しいので現場はコーチに任せている」と説明。また、反則を犯した守備選手は現在休養しており、練習場にも合宿所にも姿を見せていないというが、同選手が退部の意向を示していることについては「そんな事実はない。現在も部員です」と否定した。

 今回の問題を受けて、関東学生連盟は10日に暫定的な処分として、反則を犯した日大選手の対外試合出場禁止、指導者への厳重注意を発表。さらに、規律委員会で関係者へのヒアリング調査をした上で最終的な処分を決める。

 また、日大からの回答を受け取った関学大は、17日に記者会見を行う。日大もそれを受けて何らかのリアクションを検討するというが、記者会見を行うかは未定だという。

https://www.daily.co.jp/general/2018/05/16/0011261292.shtml

独占入手!タックル謝罪文 日大・内田監督、自身の指示には触れず「選手が違反行為」
2018年5月17日5時0分 スポーツ報知

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日大アメフト部の内田監督が、連盟に指導自粛などを申し入れた文書

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6日、パスを投げ終えた関学大選手に背後からタックルする日大の選手(関学大提供・背番号をモザイク加工しています)

 日大アメリカンフットボール部選手による悪質タックル問題で、同部の内田正人監督(62)が関東学生アメリカンフットボール連盟に指導自粛などを申し入れた文書を、スポーツ報知が独占入手した。

 反則行為について「選手、大学生としてあるまじき違反行為」としながら自身の指示については触れず、選手の反則行為について謝罪した。連盟関係者は「選手個人に責任を転嫁する内容だった」などと批判。危険なプレーをした日大の選手が「『(反則を)やるなら(試合に)出してやる』と監督から言われた」と周囲に話していたことも分かった。

 内田監督からの自粛申し入れ文書は10日付で連盟宛てに提出された。「本学選手による試合中の重大な反則行為に対する措置について」で始まり、春のオープン戦でのベンチ入りや8月末までの現場指導の自粛を申し入れる内容だった。

 内田監督は、文書の中で日大守備選手による一連の反則について「スポーツ選手として、大学生としてもあるまじき違反行為を度重なり行った」などと釈明。「大きな混乱を招いた」と謝罪し、今後については「学生と真摯(しんし)に向き合い指導を徹底する」などと記している。

 ただ、反則行為が選手個人によるものとの趣旨で書かれていることから、ある幹部は「選手に責任を押しつけている。監督としての責任を逃れようとしているのではないか」と批判する。内田監督は10日に連盟から厳重注意処分を受けているが、連盟は規律委員会を設置して来月上旬にも最終的な処分を下すとしている。

 悪質なタックルは6日に都内で行われた日大と関学大の定期戦で発生。日大守備選手が無防備な状態の相手クオーターバック(QB)の背後からタックルし、腰椎損傷のけがを負わせた。守備選手はその後も反則行為を繰り返し退場した。

 日大側は「アクシデントだった」として監督の関与を否定しているが、複数の関係者によると、内田監督は「最初のプレーで相手QBにけがをさせる。周りから何か言われたら『監督の指示』と言っていい」という趣旨の指示を行った。ほかに「壊せ」との言葉も使い、日大選手は練習や試合前から「試合に出られないのは気合が足りないから」「やる気がない」などと叱責を受けていたという。大学アメフト関係者は「選手は指導者から叱責を受け、追い込まれていた可能性が高い。指導者の責任が一番大きいのではないか」と批判している。

 関学大は17日に会見を開いて詳細や今後の対応を明らかにするが、事態がすぐに収束する可能性は低い。前代未聞の反則は、周囲に大きな影響を及ぼしている。

http://www.hochi.co.jp/sports/ballsports/20180517-OHT1T50034.html

日大主将ら監督の指示否定 「やるなら出してやると言われた」告白と裏腹
2018年5月17日6時0分 スポーツ報知

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日大・内田正人監督

 日大アメリカンフットボール部選手による悪質タックル問題で、同部の内田正人監督(62)危険なプレーをした日大の守備選手が「『(反則を)やるなら(試合に)出してやる』と監督から言われた」と周囲に話していたことが分かった。関係者が明かした。日大広報部は、学内の調査に対し内田監督が「違反をしろと言っていない」と述べたと明らかにし、否定した。

 日大の選手は下級生の頃から主力としてプレー。しかし関係者によると、最近は内田監督から精神的な部分で苦言を呈され「チーム内で干されている状態だった」という。日大広報部は「監督は『必死で頑張ってこい。戦え。厳しくやれ』など厳しいことは言ったが、違反しろという指示は出していない」とし、調査に応じたコーチや主将らも「監督はそんなことを言っていない」と否定したという。反則した選手にも聞き取りをしたが「(監督の話を)どのように受け止めたか、追加で調査する必要がある」とした。

 関学大の抗議に対し、日大は15日に回答書を提出。日大広報部によると「ラフプレーは認めて謝罪しているが、監督から指示はしていない」という内容になっている。関東学生連盟は10日に当該選手を対外試合出場禁止とし、内田監督に厳重注意処分を科した。西村康稔官房副長官は16日の会見で「重大な事故につながる非常に危険な行為だ。文部科学省が必要な対応をとる」と語った。

http://www.hochi.co.jp/sports/ballsports/20180517-OHT1T50031.html

日大アメフット部 解体危機、悪質タックル問題 監督続投なら選手ボイコットも

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昨年12月、関学大を破って甲子園ボウルを制した日大・内田監督 Photo By スポニチ

 学生アメリカンフットボールの試合で日大の選手が悪質なタックルを見舞った一件で、関学大の抗議文書に対する日大の回答に内田正人監督(62)の辞任が盛り込まれていないことが16日、関係者の話で分かった。17日に会見する関学大は16日夜に協議した。また、世間の厳しい目に加え、日大の部員にも現体制に疑問を持っている者も少なくないもようで、名門チームは空中分解の危機に立たされている。

 関学大の抗議文書に対する回答を日大のコーチは兵庫県西宮市の同大学に15日夜に持参した。だが、その中には内田正人監督が辞任するといった文言は盛り込まれていないことが判明した。

 今回の件は6日の定期戦で日大の選手が関学大QBに見舞った悪質なタックルが発端だった。関係者の話では、試合前のハドル(作戦会議)で内田監督が当該選手に指示を出したとされている。内田監督が責任を取っての辞任は確実とみていただけに、誠意ある内容を期待した関学大としては“大甘回答”と受け取らざるを得ない。負傷したQBに対して相手監督から謝罪の言葉がないことも不信感に拍車をかけている。関学大は17日の会見に備え対応を協議。51回の歴史を誇る伝統の定期戦打ち切りなど厳しい姿勢を打ち出すことが予想される。

 さらに別の関係者の話で、内田監督が“続投”した場合、部員が練習をボイコットする動きがあることも分かった。「3年生以下が中心となって話が出ている」。2015年まで日大を率いた指揮官は1年のブランクを置いて17年に復帰。あまりに厳しい練習を課したため、就任直後に20人あまりが部を離れた。ただ、今回の“心離れ”は、あまりに状況が異なる。

 日大広報部はこの日、学内の調査に内田監督が「監督は“必死で頑張ってこい。戦え。厳しくやれ”など厳しいことは言ったが、違反しろという指示は出していない」と証言したことを発表。調査に応じたコーチや主将らも指示を否定したという。ただ、一方で反則を犯した選手が「“反則をやるなら出してやる”と監督から言われた」と周囲に話していたことも分かった。この選手は下級生の頃から主力だったが、関係者によると最近は監督から精神的な部分で苦言を呈され「チーム内で干されている状態」。定期戦前に「やるなら出す」と反則行為を条件に出場の機会が与えられたとして両者の主張は対立している。

 外部から厳しい目が注がれ、内部には不満がたまっている。21回の大学日本一を誇る名門は崩壊の窮地を迎えた。

[ 2018年5月17日 05:30 ]

https://www.sponichi.co.jp/sports/news/2018/05/17/kiji/20180516s00040000372000c.html

日大から関学大への回答全文 アメフト違反行為問題
2018年5月17日14時55分

日大から関学大への回答全文

関西学院大学体育会アメリカンフットボール
部長 池埜聡様
ディレクター 小野宏様
監督 鳥内秀晃様

日本大学保健体育審議会アメリカンフットボール
部長 加藤直人
監督 内田正人

第51回定期戦における弊部選手による反則行為に係る貴部からの申し入れに対する回答について

平成30年5月6日に行われました定期戦において発生した弊部選手の反則行為について、負傷された貴部選手にお見舞い申し上げますとともに心より謝罪いたします。そして、一日も早い回復をお祈り申し上げます。また、ご迷惑をおかけしました貴部関係者の皆様に深くお詫び申し上げます。

平成30年5月10日付けで送付いただきました貴部からの申し入れに対し、以下のとおり回答いたします。

1.弊部選手の前半第1攻撃シリーズ1プレー目の反則行為に対するチームとしての見解及び行為を受けた貴部選手並びに保護者へのチームからの正式な謝罪について

弊部としましては、アメリカンフットボール公式規則に掲げるフットボール綱領を尊重しており、意図的な乱暴行為を行うこと等を選手へ教えることは全くございません。

弊部の指導方針は、ルールに基づいた「厳しさ」を求めるものでありますが、今回、指導者による指導と選手の受け取り方に乖離が起きていたことが問題の本質と認識しており、指導方法に関し、深く反省しております。

弊部選手による反則行為を受けました貴部選手及び保護者の方に心よりお詫び申し上げます。

2.弊部監督が試合終了後にメディアに対して出したコメントに対する見解と同コメントの撤回及び指導者として当該事案が発生したことについての正式な謝罪について

上記1で御説明いたしましたとおり、弊部は規則に基づいた指導を行っております。同コメントは、もとより規則に違反してもよいと意図するものではなく、選手に「厳しさ」を求めていることから発したものでした。

しかし、真意が伝わらず反則行為を容認する発言と受け取られかねないものであり、本意ではありませんため、ここに、試合終了直後にメディアに対して発した弊部監督のコメントは、撤回させていただきます。

当該事案が発生したことについて、ご迷惑をおかけしました関係者の皆様に指導者として謝罪いたします。

また、一部メディアで報道されております、当日のミーティングにおける弊部監督が選手に対して発した発言も、規則に違反し貴部選手を負傷させる意図は全くなく、選手全員に「厳しさ」を求め、士気を上げるために行ったものでした。

繰り返しになりますが、ご迷惑をおかけしました関係者の皆様にお詫びいたします。

※「事実」「経緯」等のチームとしての見解について

弊部として把握する事実、当該プレーに至った経緯、それまでの指導内容、拭合後の対応等についてですが、速やかな回答が必要なことは十分に認識しておりますが、弊部において現在、確認作業及び再発防止策の策定を行っております。恐縮ですがお時間をいただき、平成30年5月24日(木)を目処に回答させていただければと存じます。何とぞ今しばらく猶予をいただきますようお願い申し上げます。

重ねてではございますが、このたびの反則行為により負傷された貴部選手並びに保護者の方に対し、心より謝罪いたします。また、ご迷惑をおかけしました貴部関係者の皆様に深くお詫び申し上げます。

今後、二度とこのような行為が行われないよう、ルール及びスポーツマンシップ教育・指導の徹底を図ってまいりますことをお誓い申し上げます。以上

https://www.asahi.com/articles/ASL5K4RKVL5KPTIL00M.html

日大フェニックスのラフプレー問題:現状、日大の対応には失望する他なし。

監督の指示であのプレーを「させらせた」選手が退部に追い込まれ、あのプレーを「させた」監督が8月末までの指導自粛やと…?

選手に責任押し付けて、9月からの秋シーズンには普通に出てくるつもりか?

あかん…これはあかん。

アメフット日大選手が退部決意、反則プレー監督指示
[2018年5月16日5時0分]

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6日の日大―関学大戦の第1Q、ボールを投げ終わった関学大QBの背後から、日大DLが悪質なタックルを仕掛ける(関学大提供、写真は一部加工)

 アメリカンフットボールで対外試合出場禁止処分を受けた日大DLの選手が、退部の意向であることが分かった。日大関係者が15日に明らかにした。6日の関学大戦で、パスを投げ終えて無防備なQBに背後からタックルするなど3度のラフプレーで退場し、関東学生連盟から処分も騒動は拡大する一方。責任を感じて決意したという。関係者は反則が内田正人監督の指示だったとも明かした。内田監督は連盟へ10日付で8月末まで現場指導の自粛を申し入れていたことも判明した。

 問題の経緯は次のとおり。

 ◆5月6日 都内での定期戦で関学大が21-14で日大に勝利も、日大DLの悪質な反則プレーが起きる。

 ◆7日 関学大QBが右膝軟骨損傷と腰の打撲で全治3週間の診断受ける。後に左脚のしびれを訴える。

 ◆9日 関東学生連盟が理事会で協議。

 ◆10日 同連盟が日大DLの対外試合禁止、日大指導者に厳重注意の処分。日大は内田監督が8月末までの現場指導を自粛することを連盟に申し入れ、部のウェブサイトで謝罪文を掲載。関学大は直接謝罪がない日大に抗議文を送付。

 ◆11日 関学大が抗議文の配達証明を受け取る。夜、日大コーチから関学大に「当該選手を連れて謝罪に行きたい」との連絡が入ったが保留する。

 ◆12日 関学大の鳥内監督らが会見。抗議文への回答期限を16日とし、内容次第で来年度以降の定期戦拒否の考えを示す。鳥内監督は全体練習で部員に一連の経過を報告。日大の内田監督はこの日の関大戦以降も姿を見せず。

 ◆14日 日大が予定していた20日法大、6月9日東大、同10日立大のオープン戦中止が決定。対戦相手3校が連名で安全優先を理由に対戦を拒否した。

https://www.nikkansports.com/sports/news/201805160000020.html

こんなんで「解決」するわけがない。春の定期戦の段階で相手のQBを意図的に「潰し」に来るようなところと、どこが試合をしたい(てか、できる)と思うのか。

この期に及んで監督を表に出さず、ごまかして逃げ切ろうとするのであれば、日大フェニックスの存在そのものがアメリカンフットボールに対して害悪だとしか言いようがありません。

INSIDE HUDDLE
日大蛮行プレーは監督とコーチの指示
複数関係者が証言
2018.05.15 by ハドルマガジン編集部

5月6日に行われた日本大学関西学院大学の一戦で発生した日大選手による相手を傷つけるような蛮行プレーは、監督の指示であったことが弊誌の独自取材で判明した。

以下は複数のチーム関係者から得た証言を整理したものだ。

「試合に出場したかったら、1プレー目で相手のQBを壊してこい」

日大・内田正人監督が反則をしたDLにそう指示したのは試合前日だった。『壊してこい』というのは、『負傷をさせろ』という意味だ。当該選手は1年生の時から主力選手で、2年時の昨年も大活躍をしていたが、今年は試合出場機会こそ与えられていたものの干されており、精神的にはかなり追い込まれた状態だった。

そのDLに対し、内田監督は試合出場の条件として関学大のQBに負傷をさせることを指示し、コーチAは「何をしてもいいから壊してこい」と指示した。

さらに試合直前、監督から再度、当該DLに対し前日と同様の指示があった。その後、コーチAから「やらないというのはないからな」と念押しされた。

当日の先発メンバー表には当該メンバーの名前はなかった。チームが動画サイトに上げているロッカールーム内のハドルで主将が当日の先発メンバーを発表する動画でも、当該選手の名前は確認できなかった。つまり、当該選手は関学大QBを『壊す』ためだけに出場の機会を与えられていた。

「皆、俺がやらせていることは分かっている。(周囲から反則プレーについて)何か聞かれたら、監督の指示だと言え」

試合後、反則プレーについて内田監督は選手全員に対しそう促した。

反則をした当該選手は泣いていたという。

相手を故意に負傷させるプレーを行った日大DL選手は厳しく罰せられなければならない。しかし、今回の蛮行に対して、彼が自ら正しい判断、行動をすることは極めて難しい状況だったことも事実だ。

想像して欲しい。もし、自分が勤務している会社で上司から不正を強要され、「これをやらなければクビだ」と言われた時、何も迷わずに会社を辞める決断がすぐにできる人はどのぐらいいるだろうか。

彼が置かれていた状況はそれと酷似している。本来、正しいことを教えてくれるはずの監督やコーチからの指示だったということを考えれば、それ以上に正しい判断をすることは難しい状況だったと言ってもいいだろう。

フットボールは一人ひとりが役割分担をまっとうすることで成立するスポーツである。その特性上、監督やコーチの指示は基本的に絶対だ。だからこそ、監督やコーチは選手に正しいことを教えなければならない。さらに、監督自ら「自分の指示だと言え」と、選手に促しながら、地上波テレビ番組等でもとりあげられる大騒動となった14日時点になっても、内田監督からの公式な経緯説明は行われていない。結果、反則プレーを行った日大DLはSNS上で晒し者になってしまった。

『5月6日に行われた本学と関西学院大学の定期戦において,本学選手による反則行為により大きな混乱を招き,関西学院大学の選手・関係者の皆さま,関東学生アメリカンフットボール連盟,また国内外のアメリカンフットボールファンの方々に多大な御迷惑と御心配をおかけしましたことを深くお詫び申し上げます。今回の事態を厳粛に受け止め,今後はこのようなことがないよう,これまで以上に学生と真摯に向き合い指導を徹底してまいります。このたびのこと,重ねてお詫び申し上げます。』

日本大学アメリカンフットボール部』の名前で、5月10日にホームページに掲出された『本学選手による試合中の重大な反則行為について』と題した謝罪文は、まるで今回の蛮行が当該選手一人の判断によるものと捉えられかねない内容だった。しかし、実際は監督、コーチの間違った指導が原因であり、間違った指導を徹底しても改善することはできない。

反則プレーを行ってしまった選手には、当事者である関学大と標的にされた選手に謝罪をした上で、正しい指導を受けるチャンスが与えられなければならない。一方で、間違った指導によって標的にされた選手を危険にさらし、蛮行を強要したことで未来ある有望な選手をバッシングの標的にしてしまった監督、コーチの責任は重大だ。

内田監督は5月10日付けで、柿澤優二・関東学生連盟理事長宛に謝罪文と共に、春季オープン戦のベンチ入り自粛と、8月末までの現場指導の自粛を申し入れたという。

対戦校、そして自チームの有望な学生選手の未来を奪うような指導を行い、アメリカンフットボールを安全に行うための努力を続けている多くの関係者の努力を踏みにじった責任が、たったこれだけの認識ということに強い憤りを感じている。

現在、関東学生連盟では規律委員会による調査が始まっている。また、日大の部長および監督に対して、関学大が5月10日に送付した謝罪と反則に至った経緯説明を求める文書の回答期限は5月16日である。

文責=上村弘文

https://huddlemagazine.jp/roughplay_180515/

2018/5/15 22:15 神戸新聞NEXT
アメフット 日大の悪質タックル問題、波紋広がる

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日本大の選手による悪質な反則を試合の映像で説明する関西学院大の鳥内秀晃監督(左)と小野宏ディレクター=西宮市、関西学院大学

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昨年の甲子園ボウルで熱戦を繰り広げた関学大と日大

 6日に東京都内であったアメリカンフットボールの定期戦で、日本大の選手による悪質な反則行為で兵庫県西宮市の関西学院大の選手が負傷した問題が大きな波紋を呼んでいる。日本オリンピック委員会(JOC)の平岡英介専務理事は15日、「傷害事件のようなもの」と非難し、スポーツ庁鈴木大地長官も14日の記者会見で「危険なプレーを容認するわけにはいかない」と批判した。関学大は10日付で日大に抗議文書を送り、チームとしての見解などを回答するよう要請。15日夜に日大から返答があったといい、17日に記者会見を開き、今後の対応などについて説明する。

 昨年12月の全日本大学選手権決勝「甲子園ボウル」でも戦った東西の両雄による定期戦。問題となっているのは試合開始早々、関学大クオーターバック(QB)がパスを投げ終えて無防備なところに、日大の選手が背後から激しくタックルした場面だ。QBは負傷退場し、全治3週間と診断された。日大の選手はその後もラフプレーを続けて資格没収(退場)となった。その後、関東学生アメリカンフットボール連盟は同選手に対外試合出場禁止の処分を科し、内田正人監督を厳重注意処分とした。

 関学大が撮影した動画では、問題となった反則が審判の目の前で起こったにも関わらず、その時点で資格没収とはならなかった。関東学連は9日になって、1回目の反則行為を「ひどいパーソナルファウル」と認定したが、関西アメリカンフットボール協会審判部の浜田篤則審判部長は「行きすぎた行為なのは明白。1回目で資格没収にすべきだった」と話す。

 プレーとは無関係の場面で、意図的に相手を傷つけようとした行為であることは明らか。関学大アメフット部の小野宏ディレクターは「普通に道を歩いていて、突然後ろから防具を着けた100キロを超える選手に猛スピードでぶつけられるようなもの」と例え、「スポーツを冒とくする行為だ」と強く非難した。

 日大は10日付で、内田監督が8月末までの現場指導を自粛することを関東学連に申し入れ、ホームページ上でおわび文を掲載した。関学大への正式な謝罪や説明はなく、同大アメフット部の鳥内秀晃監督は「われわれの思ってるところと(日大に)温度差がある」と苦言を呈した。12日になって日大のコーチと当該選手が「(直接)話したいと思ってきた」と関学大を訪れたが「文書の回答を責任者からいただきたい」と面会を断ったという。(宮崎真彦)

https://www.kobe-np.co.jp/news/sports/201805/0011259107.shtml

大学怖い…アメフット悪質反則問題で存続危機の声
[2018年5月15日8時43分 ]

 アメリカンフットボールでラフプレーによる処分を受けた日大が、相次いで対戦を拒否された。関東学生連盟は14日、日大が予定していた20日の法大、6月9日の東大、10日の立大とのオープン戦3試合を中止すると発表。3校は連名で、正式処分や再発防止策を講じていないことから、安全を優先して中止を申し入れた。連盟は6日の関学大戦で3度のラフプレーで退場した日大DLの対外試合出場禁止などの暫定処分を10日に発表。また、日大に見解と謝罪を求めている関学大は16日を回答期限とする抗議文を送付している。

 日大のラフプレー問題は収まることなく広がる一方だ。ライバルが対戦を拒否する事態に。関東大学1部TOP8で秋のリーグ戦で対戦予定の法大と立大、BIG8の東大も中止を申し入れた。法大は長年日大と優勝争いを演じ、一時中断していた対戦を今春復活させる予定だった。

 法大は16年、東大も昨年体制が代わり、改革を打ち出し、友好的に活動している。両校はチーム方針で特に安全第一を打ち出し、立大も同調して今回のラフプレーを重大視。昨年就任した東大の森ヘッドコーチ(HC)は「連盟処分は暫定で、正式に見解も出されていない。十分な安全性が担保されていない中で、試合はできない」と中止申し入れの理由を説明した。

 森HCは未経験から京大で2度日本一になり、88年からコーチを務めた。5チーム中3チームを日本一に導き、11年からは日本代表HCも務めた。日大DLの最初の反則には「30年以上指導してきて初めて。経験者でも極めてまれと分かる」と危険性を感じていた。反則はパスを投げ終えた約2秒後、無防備関学大QBの背後からタックル。QBは右膝軟骨損傷などで全治3週間と診断された。

 東大は狭き門の国立校で、大半が未経験から入部。森HCは「スポーツ経験のない学生もいる。迷っている新入生や保護者も不安な状態で試合はできない」とも話した。他校で来年入学の勧誘で「大学は怖いので競技はやめる」という高校生も出てきたという。競技人口減少や存続を危ぶむ声すら上がりだした。

 日大はホームページに謝罪文を掲載したが、関学大戦後に2試合をこなした。関学大に出向いて謝罪しようとしたが、抗議文への回答が先だとして断られた。12日の関大戦から内田監督は姿を見せず、日大の森HCが「あらためて適切に対応したい」と話しただけ。今後の中止3試合以外に4試合を予定している。

 ◆日大アメリカンフットボール部 1940年(昭15)に創部。愛称のフェニックスは50年代に最強を自負したオール日大「不死鳥倶楽部」に由来。甲子園ボウルは55年に初出場し優勝。昨年が34度目で、優勝21度は関学大の最多28度に次ぐ。ライスボウルは84年に初出場し、過去5度のうち4度優勝。

https://www.nikkansports.com/sports/news/201805150000146.html

クローズアップ2018
日大アメフット悪質タックル 名門「闘志」履き違え SNS通じ批判噴出
毎日新聞2018年5月16日 東京朝刊

 アメリカンフットボールの名門、日大フェニックスの名が泣いている。関西の雄、関学大との定期戦(6日・東京)で守備選手が相手選手を危険な反則タックルで負傷に追い込んだ。関係者は「監督の指示」と証言した。スポーツの根幹を揺るがす悪質な行為に、関東学生連盟は厳正な対応が求められる。【飯山太郎、丹下友紀子】

f:id:bluetears_osaka:20180516090546j:plain:left 試合は日大が復活優勝した昨年末の「第72回毎日甲子園ボウル」の再現だった。関学大との定期戦はそれぞれのユニホームから「赤」と「青」の対決と言われる好勝負で、51回目となる。その開始早々だった。

 12日に記者会見した関学大によると、2年生のQBが右サイドに向かって走りながらパスを投じた。パスが失敗して天を仰ぎ、走る速度を緩めたQBを執拗(しつよう)に追いかけてきた3年生の守備選手が背後から突き刺すようにタックルした。投げ終えたばかりのQBへの接触は危険で反則となる。守備選手はプレーが終わってから約2秒後にタックルをしており、関学大の小野宏ディレクターは「体重100キロを超え、ヘルメットをかぶった選手が突然背中から当たってきた衝撃を想像してほしい。選手を傷つけることを目的にした意図的で極めて危険、悪質なプレー」と怒りをあらわにした。

 守備選手はその後も反則を2度繰り返して退場処分となった。QBは負傷交代したが、関学大は15日、「第2・第3腰椎棘間靱帯(ようついきょくかんじんたい)損傷」と診断されたと発表した。幸いにも痛みは改善されつつあり、関学大は「後遺症の可能性は極めて低い」との見解を示している。

 複数の関係者は、このプレーが日大の内田正人監督の「指示だった」と証言する。守備選手は昨年の甲子園ボウルに出場した有望株だったが、今春は調子を落として、出場機会に恵まれていなかった。内田監督は定位置を確保するためには「最初のプレーでQBを壊せ」とあおったという。試合後、内田監督は「これが僕のやり方。うちは力がないから必死だ」などと強調したが、守備選手は後悔の念からか、涙を流した。

 日大は故篠竹幹夫監督が妥協しない指導で闘志あるプレーを求める一方で、反則した選手は交代させる規律があった。日大らしさの復活と評価された陰で、篠竹監督時代にコーチだった内田監督は言葉で選手を追い込み、闘志を曲解させる指導を横行させていた。

 関学大は日大に抗議文書を送り、謝罪と見解を求めていた。日大は15日に返答。関学大は17日に記者会見し、返答内容と対応を公表する。

 日大は取材に「大学としても事実関係の調査と再発防止に取り組み、結果によっては関係者の処分も検討したい」(企画広報部)と説明しているが、内田監督は姿を見せていない。早稲田大の友添秀則教授(スポーツ倫理学)は「監督の責任は重い。学生スポーツは競技を通じ、人格形成や努力の必要性を学ぶ。その意味を分かっていない指導者は許されない」と指摘した。

 今回の特徴はソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)を通じて、映像が拡散したことにあった。本場の米プロフットボールNFLに挑戦した河口正史さんは「注目度は高くない試合だったが、SNSで可視化され、危険性が認識された。不正はできない時代だと選手や指導者は自覚してほしい」と訴える。

 波紋は広がり、春季に日大と試合を組んでいた法大、東大、立大の関東大学リーグのライバル3校が14日、中止を申し入れて了承された。要請文書では「正式な処分や再発防止策が講じられていない」「日大との試合でチーム内や選手の父母らから心配する声がある」と懸念を示した。自らのツイッターで「いかがなものか」と声を上げたスポーツ庁鈴木大地長官も14日の記者会見で「選手の安全や安心を守る体制が構築されるべきだ」と述べた。

 関東学連は試合当日は日大に聴取せず、10日に守備選手を対外試合への出場禁止、内田監督を厳重注意とする暫定的な処分を発表した。さらに規律委員会を設けて事実関係の調査をして、来週にも臨時理事会で追加的処分を決める方針だが、余波は収まらず対応は後手に回っている。友添教授は「学連もすぐに聴取したうえで公表して処分すべきだった。ガバナンスが機能していない」と指摘する。

 NFLでは2012年に強豪セインツのコーチがタックルで相手を負傷させた選手に、けがの程度に応じて1000~1500ドルのボーナスを支払っていた愚行が発覚。リーグは、コーチを無期限の、黙認していた監督を1年間の資格停止処分として、チームにも罰金50万ドルを科した。ルールを無視した激しさは暴力に等しい。関東学連の柿沢優二理事長は「新たに始める子どもが減り、競技人口の低下につながりかねない」と危機感を示す。スポーツとしての品位を保てるかは今後の対応にかかっている。

日大フェニックス
 1970年代後半から80年代に故篠竹幹夫氏の指導で黄金期を築いた。学生日本一を決める「毎日甲子園ボウル」の出場回数34回、優勝回数21回(引き分け両校優勝2回含む)は東日本最多。90年の優勝後は低迷したが、2007年に17年ぶりに関東を制覇。昨年は関学大を降して27年ぶりに日本一に輝いた。愛称のフェニックスは不死鳥の意味。

https://mainichi.jp/articles/20180516/ddm/003/050/039000c

さて、日大の関学への回答書、何が書いてあるのか。今わかってるところからさらに踏み込んでいるのかどうか。関西学院が開く記者会見に注目です。

アメフト問題 日大コーチが関西学院大に回答書を直接届ける
5月15日 22時54分

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大学アメリカンフットボールの強豪、日本大学関西学院大学の定期戦で日大の選手による重大な反則行為があった問題で、日大のコーチが15日夜、関西学院大に抗議文書に対する回答書を直接届けたことがわかりました。

今月6日、東京都内で行われた日大と関西学院大の定期戦で、日大の選手が、パスを投げ終えて無防備な状態だった関西学院大の選手に後ろからタックルし、関西学院大の選手は右ひざなどのけがで全治3週間と診断されました。

関西学院大は「選手を傷つけることだけを目的とした、意図的で極めて危険かつ悪質な行為」として、日大に今月10日付けで抗議文書を送り、チームの見解やけがをした選手への謝罪などを求めていました。

これに対し、日大側は16日の回答期限を前に監督やコーチ、タックルをした選手などから話を聞き、事実関係の説明と謝罪を盛り込んだ回答書をまとめました。

関係者によりますと、15日午後8時すぎに、日大のアメリカンフットボール部のコーチが兵庫県西宮市にある関西学院大を訪れ、アメリカンフットボール部の担当者に直接、回答書を手渡したということです。

関西学院大は「現時点で回答書の内容は明らかにできない」としています。

関西学院大は16日、回答書の内容を精査して大学としての対応を決定し、17日の記者会見で発表することにしています。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180515/k10011439771000.html

「韓国が日本から学ぶ」ところからまた学ぶ。:観光産業と基礎研究

何というか、めっちゃええ教材になっている気がします。

互いに学びあうことは悪いことではありませんし、一方で学ぶべきところはそれぞれ異なっているはずです。「外からどう見えてるのか/何が目につくのか」を知るにもいい機会になります。よくも悪くも。

まあそのー、他山之石というか、反面教師というか、そういうのも含めて…。

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外国人観光客が韓国の2倍…日本観光産業の競争力は?
2018年05月15日07時38分
[ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]

2015年、日本は53年ぶりに観光収支が黒字になった。同時に観光客誘致実績で6年ぶりに韓国を上回った。昨年の場合、日本を訪問した外国人観光客は2870万人と、韓国(1333万人)の倍以上だった。専門家らはこうした格差について、高高度防衛ミサイル(THAAD)配備に対する中国の報復や日本の円安政策による一時的な現象として済ませるべきではないと話す。観光客の逆転はすでに予想されていたからだ。

オ・イクグン啓明大観光経営学科教授は「その間、相対的にあまり広報をしていなかっただけで、日本は以前から観光資源を築いてきた国」とし「政府レベルで観光産業の重要性をよく理解し、積極的に活用している」と述べた。

日本政府にとって観光は国家再建のための核心戦略だ。2012年に再執権に成功した安倍首相は「観光立国推進閣僚会議」を設置し、自ら議長を務めて管理している。特定の省庁だけでなくすべての閣僚が参加し、観光案件に対する解決策を模索する。2015年には「明日の日本を支える観光ビジョン構想会議」を設置し、2020年までに外国人観光客4000万人を誘致するという目標を設定した。20年以上も続いた経済沈滞の突破口は観光という結論を出したのだ。

政府の意志が早期に成果を出せた重要な土台は日本地域文化の競争力だ。伝統に基づいた特色が地域経済を活性化する重要な要素であることに早くから気づいた。実際、日本を訪問する外国人は首都の東京のほか、京都・福岡・北海道・沖縄など日本全国の地方に分散する。外国人観光客の大半がソウル(78%)または済州(チェジュ、20%)を訪問する韓国とは対照的だ。

チェ・ヒラク水原(スウォン)文化財団観光マーケティングチーム長は「日本は地域の特色が弱まることへの懸念が強く、地方は大型フランチャイズが入ってくることを望まない」とし「地域ごとに特徴や楽しみが異なるため、今回は京都、次は北海道という形で再訪問率が高まる」と説明した。

デパートや免税店が外国人観光客がするショッピングの大半である韓国とは違い、日本ではその地域にしかない特産物がショッピングの中心にある

キム・ジェホ仁荷工業専門大学観光経営学科教授は「韓国は地方の特産品を作り出す力が不足した状況であり、地域の名品といわれる商品も高価な場合が多く、国内の人たちも買いにくい」とし「韓国を訪問する外国人観光客が合理的な価格で特色のある商品を購入できるよう、地方自治体と政府、関連業界との体系的な協議が必要な時期」と述べた。

http://japanese.joins.com/article/374/241374.html

韓経:日本に似ていく韓国の大学研究室
2018年05月15日09時43分
[ⓒ韓国経済新聞/中央日報日本語版]

基礎研究の人材基盤が揺れている。主力の大学専任教員の高齢化が深刻だが、「若い血」の輸血はかなり不足しているという分析結果が出ている。基礎研究分野で「早老症」になった日本の道をたどっているという懸念が強まっている

◆日本に似ていく韓国

科学技術情報通信部傘下の韓国科学技術企画評価院(KISTEP)が全国422の大学のうち4年制大学の専任教員現況を分析した結果は衝撃的だ。2012年に7万914人だった専任教員は2016年には7万4401人に増えた。しかし年齢帯別に区分すると話が変わる。同じ期間、新進の研究員を含む39歳以下の教員数は8614人(12.1%)から6940人(9.3%)に減った。一方、60歳以上の教員数は8416人(11.9%)から1万3803人(18.5%)に増えた。

こうした状況は、科学分野でノーベル賞受賞者22人を輩出しながらも学界の高齢化が進んで科学研究の躍動性を失いつつある日本と似ている。

国際学術誌ネイチャーが3月に発表した「ネイチャーインデックス日本2018」によると、日本の大学の40歳未満の教授の比率は1986年の39%から2016年には24%に低下した。同じ期間、60歳以上の教授の比率は11.9%から18.9%に高まった。日本の高品質科学成果が2012年から2016年の間に19.6%減少したのは、躍動的に論文を出す若い研究員の雇用減少と関連していると、ネイチャーは分析した

韓国は海外に留学する理工系科学者の数でも日本と状況が似ている。米国科学財団(NSF)は米国で理工系博士学位を取得した韓国出身の留学生が2006年の1198人から2016年には890人に減ったと分析した。同じ期間、日本出身の博士も194人から129人に減少した。日本は若い科学者に対する支援が減り自費で大学院に通ったり海外留学にしなければならない事例が増えた点が留学生数の減少につながった

国内博士の増加はそれだけ自国内の研究力量が高まったという意味と見ることができる。しかし科学界では海外で他国の学者と共に研究する接点が減れば、国際的な協力研究が難しくなると見ている。2006年以降、米国で多くの博士を輩出している中国(1位)とインド(2位)は同じ期間、博士の留学生数が増えた。

チャ・ドゥウォンKISTEP研究委員は「日本は長い学問的伝統を持つが、後に国際的な共同研究で孤立する可能性がある」とし「韓国は日本の新進研究者育成事業が失敗したことを教訓にしなければいけない」と述べた。

◆「基礎研究のためのシステムが問題」

研究者も韓国の研究環境が「躍動性の危機」を迎えていると考えている。KISTEPが国家科学技術審議会の委員と優秀研究者、科学技術有功者1032人を対象に科学技術政策の問題点を聞いて初めて公開した「国家科学技術現況総合認識度調査」の結果によると、多くの科学者が国内経済状況に照らして政府の予算は適正水準だと答えた。このような見方は年間20兆ウォン(約2兆円)にのぼる政府の研究開発(R&D)投資がこれ以上は増えないという認識に基づく。

科学者はもうソフトウェアを変える必要があると指摘した。回答者は国内科学界に躍動性を与えて新しい研究風土が定着するのに必要な海外優秀科学者の誘致と研究没入のための環境づくり、独創的な基礎研究が実行されているかという質問に対し「そうでない」と評価する人の方が多かった。

イム・ソンミンKISTEP革新経済センター長は「今回の調査の結果、国内の専門家は科学技術政策が投資と雇用創出に寄与していると見ている半面、基礎研究のための環境と民間との協力では不足していると考えていることが分かった」と述べた。

※本記事の原文著作権は「韓国経済新聞社」にあり、中央日報日本語版で翻訳しサービスします。

http://japanese.joins.com/article/380/241380.html

日大フェニックスのラフプレー問題:日大の対応を待たずに事態が動き続ける。

引き続きこの件ですが、日大の対応が遅れている中、事態がどんどん動いてきています。

まず、日大フェニックスの今後の試合日程が白紙になりました。まさに異常事態ですけど、相手側からすれば、当然と言えば当然の措置です。先週末に日大と試合をした関西大学名城大学にしても、もし試合が今週末だったら、同様の措置をとった可能性はかなり高いと思われます。

これ、つまりは、秋のシーズン、公式戦の参加自体が、現状のままでは極めて難しくなってきているということです。放置は許されません。

アメフット 日大の3試合を中止 反則行為問題で
毎日新聞 2018年5月14日 20時43分 (最終更新 5月14日 23時22分)

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【日大-関学大】第1クオーター、パスを投げ終えた関学大QB(右から2人目)に背後からタックルをする日大守備選手(右端)=関学大提供の動画から(画像の一部を加工しています)

関東学生連盟が発表

 関東学生アメリカンフットボール連盟は14日、春季オープン戦で予定されていた日大の3試合を中止すると発表した。日大のアメリカンフットボール選手による悪質な反則行為で関学大の選手が負傷した問題を受け、対戦予定の法大、東大、立大が連名で試合中止を求める文書を連盟に送ったため。

 日大は昨年12月の全日本大学選手権決勝「甲子園ボウル」で関学大を破り、27年ぶりの優勝を遂げた強豪校。問題のプレーは今月6日の定期戦で起きた。日大の守備選手がプレーが終了したにもかかわらず関学大のQBの背後からタックルするなど、悪質な反則行為が3度あり退場処分になった。

 連盟は、追加処分が決まるまで当該選手を対外試合出場禁止とし、日大の内田正人監督を厳重注意処分にしたと10日に発表。日大アメフット部は謝罪のコメントを出していた。関学大も10日付で、日大に反則行為についての見解と謝罪を求める抗議文を発送している。

 試合中止を求めた3校は文書で、日大の選手、指導者への正式な処分や再発防止策が講じられておらず、選手の安全が担保されていないことを理由に挙げた。【松本晃】

https://mainichi.jp/articles/20180515/k00/00m/050/095000c

そんな中、気になる証言が漏れ始めています。問題のプレーが日大・内田正人監督の指示によるものだったことを示唆させるものです。

プレーそのものの悪質さも看過できませんが、そもそも何故、春の定期戦のような場所であんなことになったのか。この点を明らかにするためには、前回の記事の繰り返しになりますが、もはや内田監督自身に表に出てきて話してもらうより他にないと思います。

日大アメフト、関学選手への反則タックルは監督からの指示か
更新:2018/05/14 19:31

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 アメリカンフットボールの名門、関西学院大学日本大学の試合で行われた命にかかわりかねない悪質な反則タックルの波紋が広がっています。スポーツ庁の鈴木長官が厳しく批判するなど波紋が広がる中、日本大学の関係者は取材に対し「反則は監督からの指示だった」と証言しました。

 学生スポーツとして人気のアメリカンフットボール。中でも西の名門、関西学院大学と東の名門、日本大学はこれまで何度も全国一の座を争ってきました。悪質な反則行為があったのは今月6日に行われた恒例の定期戦でのこと。

 序盤、青のユニフォームを着た関学の選手が仲間にパスを投げます。イメージ通りではなかったのか,少し天を仰ぐ様子を見せたその直後…突然、日大の選手が背後からタックルし、関学の選手が地面に倒れこみます。反対側から撮影された映像には…関学の選手が膝を強打する様子がはっきりと映っていました。

 「皆さんが普通に道を歩いていて、不意に後ろから100kgを超えた選手がフルスピードでヘルメットをつけて突然背中から当たってこられた時の衝撃はどんなものか想像してもらいたい」(関学アメフト部の会見)

 関学の選手は負傷退場し、全治3週間の大けがと診断されました。パスを投げ終えた無防備な状態でのあまりにも危険なタックル。

 「身構えてのタックルとは違うわけですよ」(かみむら整形外科クリニック 上村正樹院長)

 スポーツ医療の専門家は不意にタックルを受ければ首に強い衝撃がかかり、脊髄を損傷する恐れもあるといいます。

 「脊髄で、脳から続いている中枢の神経。首にタックルを受けて強い衝撃を受けると、神経(脊髄)を損傷してしまう恐れがある。大きい損傷だともう元に戻らないので、完全に首から下、手足や体幹部のすべてがマヒしてしまう恐れがある」(上村正樹院長)

 タックルを受けたのは花形のクオーターバックを任され関学の将来のエースと期待される選手でした。

 「試合の数日後から、左足にしびれが出ている。後遺症などの可能性もあるのでMRI検査などをしていきたい」(関学アメフト部 小野宏ディレクター)

 タックルをしたのは日大で守備の最前線を担当する選手。このプレーの後も反則を繰り返し退場処分となりましたが、周囲に対してこんな話をしているといいます。

 「監督に、責任は俺が取ると言われていた」(日大の選手)

 日大の関係者は取材に対し「今回のプレーは監督からの指示でやってしまったものだ」と証言。タックルをした選手は当面、対外試合への出場を禁止されましたが、日大の内田正人監督は関学戦の後、公の場に姿を見せていません。

 「どういう指示かわかりませんけど、本当ならあり得ないこと。同じ指導者として認めることはできない」(関学アメフト部 鳥内秀晃監督)
 「日大から誠意ある回答がなければ、来年以降の定期戦は行わない」(関学アメフト部 小野宏ディレクター)

 日大はホームページにお詫びのコメントを載せ、監督の指示については「把握していない」としていますが14日、スポーツ庁の鈴木長官は…

 「やはりスポーツにはスポーツマンシップが非常に重要ですので、ルールに則ったプレーが非常に重要だろうと。なぜああいうプレーが起こったか、考える必要があると思っています」(スポーツ庁 鈴木大地長官)

 アメフトの名門・日大に何があったのか。他大学が試合を取りやめる動きを見せるなど、疑いの目は関学以外にも広がっています。

https://www.mbs.jp/news/kansainews/20180514/GE000000000000022575.shtml

日大アメフト悪質タックルは監督の指示か「最初のプレーで相手のQBにけがをさせる」
2018年5月15日6時0分 スポーツ報知

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6日の定期戦で、パスを投げ終えた関学大選手に背後からタックルする日大の選手(右端=関学大提供・画像モザイク加工)

 関東学生アメリカンフットボール連盟は14日、春季オープン戦で予定されていた日大の3試合を中止すると発表した。関西学院大との定期戦で日大の選手が悪質な反則行為をしたことを受け、20日の法政大戦、6月9日の東京大戦、同10日の立教大戦が行われないことになった。3大学から連名で日大との試合中止を求める文書が送られてきたという。

 3大学は、現段階で監督ら指導者を含めた正式な処分や再発防止策が示されず、日大と試合を行うことは難しいと判断。選手の父母、OB・OGからも「安全が担保されていない」などの懸念の声が上がっているほか、連盟についても事案発覚からの対応の遅れなどを指摘。危機管理についても問題があるとしている。

 悪質なタックルは6日に都内で行われた定期戦で発生。日大選手が、無防備な状態の関学大クオーターバック(QB)に背後からタックルするなど複数回の反則行為を繰り返した。QBは右膝軟骨損傷と腰の打撲で全治3週間との診断。その後、左足のしびれも訴えたため、西宮市内の病院で精密検査を受け「椎間関節のよじれによるもの」(関学大関係者)と診断された。

 関係者によると、日大の内田正人監督は試合前、コーチや選手が集まるミーティングで「最初のプレーで相手のQBにけがをさせる。何か言われたら『監督の指示』と言っていい」との趣旨で選手の名前を挙げ、指示をした。関学大は一連の日大の対応について抗議するとともに、16日までに経緯の説明などの回答を求めている。(久保 阿礼)

 ◆大地長官激怒 今回の問題でスポーツ庁鈴木大地長官は14日の記者会見で「危険な行為で、普通ならレッドカードに値するプレーではないか。なぜああいうプレーが起きたのかを考える必要がある」と述べ、関東学生連盟に事実確認することを明らかにした。また、長官はこの日、夏場所2日目の両国国技館を訪れ、日本相撲協会八角理事長(元横綱北勝海)とも対面。「ミーティングしました。研修会の話とか」と、長官も参加した2日の「暴力問題の再発防止に伴う研修会」を踏まえた来訪だと説明した。

http://www.hochi.co.jp/sports/ballsports/20180514-OHT1T50261.html

阪急百貨店うめだ本店「ニューヨークフェア2018」でニアミス

おおっとぉ!そのフェア、そのステージ、こないだ行ってきたところですやん。

9日かぁ。行ったのは12日でしたから、日程的にはニアミスとは言えませんね。平日にはちょっと行けんかったし。

www.hankyu-dept.co.jp

でも、KANAさんと同じ14時からのパフォーマンスを見てたんですよ。マイケルダンスパフォーマーMASAKIさんのステージ。

mdp-masaki.com
www.youtube.com

パフォーマーの人って、ホント凄いよなあ…。

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www.youtube.com

あ、ちなみにこれ、釜山の龍頭山公園ですねたぶん。

【大阪の風景】大阪市立北斎場・大阪市設北霊園

大阪帝国大学の慰霊碑だけを先に取り上げましたが、天神橋筋六丁目からほど近いところに、大阪市立の北斎場と同じく大阪市設の北霊園があります。

www.city.osaka.lg.jp
www.kankyoujigyou.or.jp

天六と言えば、関西大学が夜間の二部を置いていた場所です。いまその跡地はマンションになっています。

北斎場はその場所とほぼ隣り合ったところにあります。大阪市のど真ん中というわけではありませんが、かなり街中にある感じの立地です。


この斎場を過ぎるとすぐに、北霊園があります。

長方形に区切られた域内に、時代も大きさも形式も様々な墓碑の立つお墓が集まっています。


墓地から周囲を見渡すと、住宅地やマンションに囲まれていることがわかります。


途中、にゃんこに案内してもらいました。


で、その一角に、かの阪大の慰霊碑と、無縁遺骨の納骨堂?と思わせる施設が並んでいます。

ちなみに、上にリンクを貼った北霊園の説明ページには、阪大の慰霊碑についての説明がこんな風にあるんですけど。

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毎年秋には慰霊祭が行われているそうなので、忘れ去られているわけではないようです。医学部関係のものみたいですね。ただ、「医学に貢献された方」という文言の意味するところと、そこにある石碑との関係については、まだ少し納得しかねる部分があります。

ま、詳細については、阪大に訊いてみればわかるんでしょうね、きっと。

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日大フェニックスのラフプレー問題:関西学院ファイターズ側の対応

日大と関東学連の動きを受けて、関西学院サイドのこの件に対する対応も明らかになってきました。内容的には妥当かつ当然のものだと思います。関学サイドが求める「誠意」が意味するところをきちんと踏まえなければ、いかなる回答も謝罪も無意味です。

日大も関学も今週末、試合を行なっていたようですが、何もなかったようにスケジュールを進めていい状況ではないと思います。退部したり姿をくらましたりする前に、表に出てやるべきことがあるはずです。

アメフト日大との定期戦取りやめも 関学大が抗議文
2018年5月12日19時55分

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日大(赤)と関学大(青)の第51回定期戦は、21―14で関学大が勝利した

 アメリカンフットボールの日大と関学大との定期戦(6日、東京)で、日大守備選手の過度な反則行為で選手が負傷したことを受け、関学大アメフト部は12日、兵庫県西宮市の大学内で会見を開き、日大に抗議文書を送ったことを明らかにした。

 抗議文書(10日付)では日大に対し、反則行為の経緯説明と正式な謝罪を求めた。関学大は反則行為を「選手を傷つけることだけを目的とした意図的で極めて危険かつ悪質な行為」とし、日大から誠意ある回答がない場合、これまで51回続いた定期戦は来年度以降は行わないとしている。また負傷した選手は、右ひざの軟骨損傷と腰の打撲で全治3週間と診断されたという。

 一方の日大はこの日、富士通スタジアム川崎で関大と対戦。10日に関東学生連盟から対外試合の禁止処分を受けた守備選手、厳重注意を受けた内田正人監督は会場に姿を見せなかった。森琢コーチは試合後、関学大からの文書が届いたことを明らかにし、「(謝罪などについては)今ここで私が答えることではない。適切な形で対応したい」と語った。関係者によると、処分を受けた守備選手は周囲に退部の意向を示しているという。

 同連盟は今後、規律委員会を開き、両大学へ聞き取り調査などをして、守備選手や監督の最終処分を決定する。

 6日の試合で、日大の守備選手は関学大攻撃の1プレー目、関学大クオーターバック(QB)がパスを投げ終えた約2秒後に背後からタックル。QBはそのプレーで負傷退場した。日大の守備選手はその後のプレーでも不必要な乱暴行為を続け、5プレー目で退場処分となった。

https://www.asahi.com/articles/ASL5D5SYJL5DUTQP02M.html


追記:非公式に訪問するのも、誠意ある態度とは言えません。ここまで来てしまえば、覚悟を決めて、記者会見なりなんなり、公式の場を設けて、公開で話をするほかにないと思います。

日大アメフット監督、試合に姿なし 不在理由語らず
[2018年5月12日22時24分]

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試合後に観客の応援に頭を下げる日大の選手たち

 アメリカンフットボール春季交流戦が12日に富士通スタジアム川崎であり、日大が関大に大勝も内田正人監督は姿を見せなかった。

 6日の関学大との定期戦ではDL選手が3度ラフプレーなどで退場となり、10日に関東学生連盟が最終処分決定まで同選手の対外試合出場禁止、監督は厳重注意処分とした。

 関学大戦以来の試合を指揮した森琢ヘッドコーチが代表で取材に答えたが、監督不在の理由は「ノーコメント」とした。関東学生連盟には処分前に「当分ベンチエリアには入らないとの連絡があった」という。

 この日午前には関学大が会見し、日大にチームの見解や謝罪を求めた。抗議文を送付したとも明らかにしたが、森コーチは「届いたばかり。監督も読んでいる」と話すにとどまった。チームとしての対応、謝罪などを問われたが「処分は正式ではないので、今ここでは何も答えられない。あらためて適切に対応したい」との話に終始した。

 選手には「フットボールを一生懸命やろうと」と話したという。関大とは40年ぶりの対戦だったが、若手中心のメンバーで臨んだ。第1QはQB沼田のランで1TDに止まり、第2Qにはパスで同点とされた。その後は連続TDパスを決めて20-7で折り返し。後半も4TDを加えて48-21で勝利したが、軽いものながら反則8回などミスも多く、守備ももう一つ迫力なく3TDを奪われた。

 いつもは多くのファンが赤いシャツを着て駆けつける日大側スタンドだが、この日はその数は少なく、観客自体もまばらだった。会場外にはこの競技で、しかもオープン戦の春ながら、民放テレビ2局も取材。観客にインタビューする異例の光景も見られた。

 関東学生連盟は今後規律委員会を開き、聞き取り調査などもして最終的処分を協議するとしている。関学大ヒアリングを強く要望しているが「まだこちらは確認していない」とした。委員会での調査結果を受け、理事会で正式処分を決定することになる。

https://www.nikkansports.com/sports/news/201805120000769.html

アメフット関学大、日大への抗議回答16日まで待つ
[2018年5月13日16時57分]

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日大の反則行為について会見する関学大の小野ディレクター(左)と鳥内監督(2018年5月12日撮影)

 アメリカンフットボール関学大が、定期戦で対戦した日大選手による悪質な反則行為で選手が負傷した問題について、日大へ厳重抗議文書を送付した関学側は、会見から一夜明けた13日も、回答期限に設けた16日まで待つ構えだ。

 関学大は12日に、兵庫県西宮市内で、鳥内秀晃監督(59)ら会見。10日付で厳重抗議文書を送付し、回答次第では来年度以降の定期戦を「拒絶」する考えも示している。

 両校は6日に都内で51回目の定期戦を実施。日大DLのタックルで関学大の2年生QBが全治3週間のけがを負い、新たに左脚のしびれも訴え、近く精密検査の予定もある。

https://www.nikkansports.com/sports/news/201805130000596.html

関学大、日大戦後初の試合に敗れる 「心のどっかに…」
大西史恭 2018年5月13日20時44分

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日体大の選手をタックルする関学大LB海崎(44)=神戸市灘区の王子スタジアム

 アメリカンフットボールの試合中に過度な反則行為で選手が負傷した関学大は13日、反則行為を受けた日大との定期戦後、初めての対外試合に臨み、昨季関東TOP8(1部)で最下位だった日体大に14―16で敗れた。関学大の鳥内秀晃監督は「選手の心のどっかにあのこと(反則行為)があったんかもしれへんな」と首をかしげた。

 会場の神戸・王子スタジアムは試合前から降り続ける雨の影響もあり、関学大は思うように攻撃を進められなかった。逆に日体大に次々とパスを決められて、終始劣勢の展開。らしくない試合運びに、鳥内監督は「交代メンバーで出た選手にはええ経験になったかしらんけど、これが実力や」と厳しかった。

 日体大戦の前日。日大戦の反則行為について、監督らから選手に説明したという。「日大に抗議は送った。あとは、こっち(首脳陣)がやることやから、選手は気にせんと試合をやってほしい」と伝えた。監督によると、反則行為を犯した日大の守備選手とコーチが12日、兵庫県西宮市の関学大を訪れたが、「文書で申し入れしていることに対して、正式な回答がほしい」と鳥内監督ら首脳陣は会わなかったという。

 反則行為は、6日の日大戦で、日大の守備選手が関学大攻撃の1プレー目、関学大クオーターバック(QB)がパスを投げ終えた約2秒後に、走って勢いをつけた状態で背後からタックル。QBはそのプレーで負傷退場した。日大の守備選手はその後のプレーでも不必要な乱暴行為を続け、5プレー目で退場処分となった。関学大は10日付で日大に抗議文書を送付している。(大西史恭)

https://www.asahi.com/articles/ASL5F5592L5FPTQP00Q.html

和歌山県、「博士号教員」を高校教員採用試験全教科で募集へ

博士号取得者の就職、いわゆる「ポスドクの出口」問題が深刻さを増しているのは言うまでもないことです。そんな中で、和歌山県のこの取り組みは注目に値します。

ポイントは、従来から募集していた理系科目に加えて、文系を含む全科目の募集へ展開したという点です。これがすぐにポスドク問題の解決に直結するわけではないにしても、社会的に博士号取得者の選択肢や可能性を広げるという意義は少なくないと思います。

個人的には、こうした博士号教員の採用が、現職教員の学位取得(特に、教育学以外の専門分野の修士号・博士号まで視野に入れたもの)にもつながって、全体としての教員の専門性向上や、あるいは最前線の研究現場と教育現場との間の人的交流の拡大に向かうことを期待しています。

「博士号で受験」全教科に 和歌山県の高校教員採用試験

 和歌山県教育委員会は本年度実施の教員採用試験から、公立高校募集の全教科で、関連する博士号を持っていれば教員免許状がなくても受験できるようにした。これまでは高校の理系科目に限っていたが、文系にも広げた。県教委は「高度な専門性を持った人材を広い範囲から集めたい」と話している。

 通常、教員採用試験を受験する場合、教員免許状が必要だが、県教委は2015年度実施の採用試験から、高校の理系教科(数学、理科、農業、工業)について志望する教科に関連した博士号を持っていれば、教員免許状を不要としていた。

 対象者は1次検査の「一般教養」「校種・教科専門」、2次検査の「教職専門」が免除される代わりに、1次検査で「作文」が必要。合格者には県内で有効な「特別免許状」を発行する。前回試験までの3年間で、2人が合格したという。

 今回これを募集全教科に拡大する。全国的に理系では同様の優遇措置はあるが、文系まで拡大する例は珍しいという。

 今回の試験では、他に二つの主な変更がある。小学校志願者で、中学校や高校の英語免許を持っているか取得見込みの場合は、1次検査の「校種・教科専門」(200点満点)の得点に10点加点する。小学校で今後、英語の授業が本格的に実施されることなどから、中学校の英語教育に円滑な引き継ぎができるような人材を確保するためだ。

 さらに、特別支援学校の1次検査「一般教養」「校種・教科専門」を免除する講師経験者の対象を拡大する。この措置を受けるには、特別支援学校での講師経験が一定期間必要だったが、県内の国公立小中学校で特別支援学級を講師として担当した期間もそれに充てることができるようにした。

(2018年5月10日更新)

http://www.agara.co.jp/news/daily/?i=351675&p=more

博士号教員については、秋田県の取り組みが先行事例としてあげられます。下記のリンク先などが参考になるでしょう。

平成21年5月18日付の秋田県教育委員会による配布資料、項目5のQ&Aがなんだかずいぶんエグい質問にサラッと答えていますね。実際にあった質問なんでしょうか。

博士号教員の活用について:文部科学省

5 博士号教員採用をめぐるQ&A

Q.マニアックな専門家が生徒指導などできるのか?
A.県教委による選考(教諭としての資質能力)を経て採用されており、問題はない。生徒、教員集団に溶け込み、今すぐクラス担任を任せてもよい状況である。

Q.最先端知識だろうと授業の雑談のネタ以上の用途はないのでは?
A.幅広い土台を持ち、同じ内容でも違った切り口から指導できるなど、優れた教科指導力を持っている。また、児童生徒の科学的探究心を刺激し育み、未来のイノベーションを担う人材育成にも貢献している。

こちらの文章を読んでいても、手ごたえを感じつつ勤務していることがうかがえます。

秋田県の博士号教員について

博士号教員のこれから
 秋田県が最初に実施した博士号教員の試みは,他県にも広がっており,今後もこの動きは続くと考えている.SSH に代表されるような理数教科・国際化の事業が行なわれる背景には,グローバル化が進み,アジアや他地域の新興国が急速に力をつけてきていることに対する危機感,焦りがある.受験問題を解く能力だけがあるではなく,自然科学・技術への興味を持ち,創造性を発揮できる人材が求められているのである.そこで本格的な自然科学研究の経験をもつ博士号取得者ができることは大きい.通常の授業や出張授業,課題研究の指導やキャリア教育等,いたるところに力を発揮できる場面がある.秋田県の博士号教員は初採用の世代が 4 年目に突入し,高校教育のことを知るフェーズから,博士号教員ならではの教育をつくりあげ,後に続く方々のための環境整備の段階に入ったと考えている.早速研究会※を立ち上げて活動している.
 実験設備がいらない数学者にとって,高校教員は就職後も研究が続けられる,数少ない職場のひとつである.生徒指導・特別活動・クラブ活動と duty は多いが,最近の大学の状況を見る限り,仕事量は大差ないのではと感じている.待遇もそれほど悪くない.
 それにも増して,現場には研究経験のある人材が求められている.先入観を持たずにぜひ教育の世界に飛び込んできてほしい.

ちなみに現在は、秋田・和歌山以外でも募集があるようです。こうした取り組みが今後さらに広がることも期待していいと思います。

zzzdiary.blogspot.jp
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日大フェニックスのラフプレー問題:後手に回った関東学連・日大の対応

この問題、関東学生アメリカンフットボール連盟は当初、何も対応するつもりがない旨を表明したと聞いています。

news.yahoo.co.jp

 審判はアンネセサリー・ラフネス(不必要な乱暴行為)として15ヤードの反則を宣言。反則を犯した選手や日大のサイドラインに向かって、警告を発することもなかった。日大のサイドラインもこの選手をベンチに下げて、危険なプレーを注意することもなかった。

 ルール上は審判の判定は正しく、試合を主催した関東学生アメリカンフットボール連盟に電話をして確認したが、連盟としても対象選手や大学にこれ以上のペナルティーを与えるつもりはないとの回答が返ってきた

 ルール上は正しくても、スポーツ――とくに学生スポーツ――では、勝敗よりも選手の安全とスポーツマン精神が先に来るべきではないだろか?

しかし、改竄も隠蔽もしようのない試合動画が出回り、予想以上に「炎上」したことを受けて、やむなく対応するに至った、と、そのように読めます。ここまでの大事になるとは思っていなかった、ということは理解できなくもありませんし、その後とにかく対応した、という点も評価できなくはありません。

反則3度のアメフト日大選手、関東学連が異例の処分
榊原一生 2018年5月10日18時18分

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日大(赤)と関学大(青)の第51回定期戦。21対14で関学大が勝利した

 アメリカンフットボールの関東学生連盟は10日、日大と関学の定期戦(6日、東京・アミノバイタルフィールド)で3度の反則行為をし、退場処分を受けた日大守備選手に対して、対外試合出場を禁止する処分を発表した。連盟による選手への処分は極めて異例。

 出場禁止期間は今月中にも理事会内に設置される規律委員会で調査を行い、追加処分が決まるまで、としている。日大の指導者(内田正人監督)に対しても指導者責任があるとして厳重注意した。

 関学大は日大に対し、反則行為の経緯説明と謝罪を求める文書を送った。処分を受けた日大はファンや連盟、関学大の選手らに向けて、公式ホームページ上に「多大な御迷惑と御心配をおかけしましたことを深くお詫び申し上げます」と謝罪文を掲載した。

 6日の試合で日大の守備選手は関学大攻撃の1プレー目、関学大クオーターバック(QB)がパスを投げ終えた数秒後に背後からタックル。QBはそのプレーで負傷退場した。日大の守備選手はその後のプレーでも不必要な乱暴行為を続け、5プレー目で退場処分となった。

 学連は9日の理事会で、反則行為のあったプレーを映像で検証。その結果、背後からのタックルが「不必要な乱暴行為を超えるプレー」と分かり、公式規則第6章の「(無防備なプレーヤーへの)ひどいパーソナルファウル」に当たると判断し、処分を下した。連盟は「アメリカンフットボールはもとより、あらゆるスポーツにおいて順守されるべきフェアプレー精神やスポーツマンシップ精神を著しく損なうもの」としている。

 日大の守備選手は6月の大学世界選手権(中国)の日本代表メンバーに選ばれていたが、辞退した。日大は昨季、全日本大学選手権決勝「甲子園ボウル」で関学大と対戦。23―17で勝利し、1990年以来、27年ぶり21回目の優勝を果たした。(榊原一生)

https://www.asahi.com/articles/ASL5B5CTDL5BUTQP01M.html

しかし、この問題はすでに、その選手個人の処分で終わりにできるレベルにとどまらないものになっています。

何故に、関学オフェンスの最初のプレーで、あんな殺人的な反則プレーがいきなり飛び出したのか。何故に、あんなプレーをした選手が下げられるでも叱責されるでもなく、コーチの指示を受けながら退場に至るまでラフプレーを繰り返したのか。何故に、日大サイドは、退場後も責める素振りをまったく見せずに労うような態度で当該選手を迎えていたのか。何故に、日大の内田監督は試合後、あの一連のプレーを肯定し、自ら指示したとすら疑われるコメントを出していたのか。

そうした疑問点に答えない対応は、日大フェニックスと関東学連に対する不信感を払拭することはできないでしょう。今のところは、「これで終わり」ではないことを期待しつつ、事態を見守ることにします。

2018.5.10 16:31
【アメフト】日大選手の対外試合出場を禁止 関学大戦で「度を越すラフプレー」

 関東学生アメリカンフットボール連盟は10日、東京都内で6日に行われた日大と関学大の定期戦で日大の選手が度を越したラフプレーをしたとして、追加的な処分内容が決まるまで当該選手の対外試合の出場を禁止すると発表した。日大の指導者を厳重注意とした。

 公式規則の「(無防備な選手への)ひどいパーソナルファウル」に該当すると判断し、9日に開いた理事会で決定した。今後は規律委員会を設置し、詳細な調査を行った上で最終的な対応を決めるという。

 日大は昨年12月の全日本大学選手権決勝、甲子園ボウル関学大を下し、27年ぶりに優勝を果たした。

https://www.sankei.com/sports/news/180510/spo1805100025-n1.html

2018年5月10日
日本大学の選手による試合中の重大な反則行為について

本年5月6日に行われた日本大学関西学院大学の定期戦の第1クオーターにおいて、日本大学の選手が3度のパーソナルファウルを犯し、資格没収となる事態が発生しました。本件は、アメリカンフットボールはもとより、あらゆるスポーツにおいて順守されるべきフェアプレー精神やスポーツマンシップ精神を著しく損なうものとして、関東学生アメリカンフットボール連盟として極めて重く受け止めています。
日本大学が加盟している連盟を代表し、また試合の主催者として、本件において負傷されました関西学院大学の選手ならびに対戦相手の関西学院大学の関係者の皆さま、そして国内外のアメリカンフットボールを愛する皆さまに多大なご心配とご迷惑をお掛けしましたことを、心よりお詫び申し上げます。

弊連盟では、5月9日に開いた理事会で本件について協議し、以下の通り決定しました。

①当該選手の1回目の行為は、その後の検証の結果、当初、試合中に審判クルーが下した「アンネセサリーラフネス(不必要な乱暴行為)」を超えるものであったことが分かり、公式規則第6章の「(無防備なプレーヤーへの)ひどいパーソナルファウル」に該当すると判断できる。よって、競技団体として、当該選手は追加的な処分の内容が確定するまでは、対外試合の出場を禁止する。
日本大学の指導者は、スポーツマンシップに則り、公式規則を遵守し、重要な規律をプレーヤーに継続して教えねばならないとして、厳重注意とする。
③一連の反則行為につき、調査・報告を行う為に規律委員会を理事会内に設置する。

今後は上記③の通り、速やかに規律委員会を設置し、詳細な調査を行った上で最終的な対応を決定する運びです。

学生スポーツの本来の目的である学生の成長とアメリカンフットボールの発展に向けて、弊連盟として力を尽くしていく所存です。アメリカンフットボールを愛する皆さまのご理解を賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。
あらためまして、このたびは多大なご心配とご迷惑をお掛けし、申し訳ありませんでした。

2018年5月10日
一般社団法人 関東学生アメリカンフットボール連盟
理事長  柿澤 優二

http://www.kcfa.jp/information/detail/id=2195

本学選手による試合中の重大な反則行為について

 5月6日に行われた本学と関西学院大学の定期戦において,本学選手による反則行為により大きな混乱を招き,関西学院大学の選手・関係者の皆さま,関東学生アメリカンフットボール連盟,また国内外のアメリカンフットボールファンの方々に多大な御迷惑と御心配をおかけしましたことを深くお詫び申し上げます。
 今回の事態を厳重に受け止め,今後はこのようなことがないよう,これまで以上に学生と真摯に向き合い指導を徹底してまいります。このたびのこと,重ねてお詫び申し上げます。

日本大学アメリカンフットボール

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