「世界の村で発見!こんなところに日本人」

出発前に見たテレビ番組の話をひとつ。

2009年1月2日(金)  午後4時〜5時55分

世界の村で発見!こんなところに日本人


 海外移住ブームの今、日本を飛び出して海外で暮らす日本人はなんと100万人以上!そんな中、「なぜこんなところに?」と首を傾げたくなるような場所に住んでいる日本人も多くいる。この番組は、そんな素朴な疑問を直接本人に会って聞いてみたい!と、旅先案内人となった芸能人が、自分の力で世界の奥地にいる日本人に会いに行くドキュメントバラエティの第2弾である。

 しかし、ありきたりな海外紀行バラエティではない。そこで暮らす日本人が体験してきたであろう苛酷さを、レポーターが身を持って体験しなければならない、というルールが存在する。旅の出発点はもちろん日本から。これから会う日本人が今住む場所へどのようにしてたどり着いたのか、その軌跡を辿っていくのだ。

 レポーターへのサポートは一切なし。例え言葉が通じなくても、現地での移動や食事もすべて自らの手でなんとかしなければならない。バスや鉄道がなければ、自らの足で歩くか、ヒッチハイク。ホテルに泊まれなければ、野宿や現地人のお宅に世話になることも…。文化の違いから、思わぬハプニングが続出!? 危険いっぱい、ハラハラドキドキ、でもロマンたっぷりの「人捜し冒険バラエティ」なのだ。
 さらに今回は、現地の日本人に喜んでもらうため、日本からお土産を持って行くというルールが加わった。レポーター自ら考えたお土産の内容は、手渡すまで内緒だ。レポーターたちは、果たしてどんなお土産を選んでいくのか?

 この番組の第一の目的は、もちろん僻地に住む日本人に会い、何故こんなところに住んでいるのか?を聞き出し、彼らの暮らしぶりや半生をリポートすること。しかし、きっとレポーター自身のみならず視聴者の皆さんにとっても、自らを見つめ直す旅になることは間違いない。

 今回、日本人が住んでいるという情報が寄せられたのはアイスランドボリビアの2ヶ国。「なぜこんなところに?」と思ってしまうような辺鄙なところで、地元の人々と交流を持ちながら生活する様子を伝えるべく、レポーターの安倍なつみ矢口真里のコンビと千原せいじがそれぞれの国に住む女性に会いに行く!

http://www.tv-asahi.co.jp/tokuban/20082009/contents/article/0062/

TBS系でよくあるような下手で安っぽい感動ドラマ仕立てではなく*1、リポーターの個性のにじみ出た珍道中ぶりを素の感じで押し出していて、何となく見ていてホッとする番組作りであった。

何気なくボリビア千原兄弟とをフィーチャーしている私としては、期待の中心は当然ながら後半にあった*2。いい味出してるなぁ千原のお兄ちゃん。

アイスランドの女性は不登校のときの語学留学がきっかけだと言っていたけれど、このボリビアの人は番組中に言っていたことから「もしかしたら…」と思うところがあったので、ちょっと検索してみた。すると、ご本人のブログに到達。

おサル気まぐれ日記 〜ルレナバケから世界へ〜

やはり、JICAの海外青年協力隊を経験されていましたか。ボリビアは協力隊の派遣者数が世界の中でも特に多い国ですから。


日本を出る前には思いもよらなかったであろう出会いとともに、どちらの女性も実にしなやかに生きているように見えた。
むろん、父親ならずとも、本人にも戸惑いがなかったはずはないし、出会いのそばには別れもあるに違いない。
それでも、誰しもがいずれそれを受け入れて生きていくしかないと思うのだ。
どうせなら、その人生を祝福に包まれたものにしたい。
そう思う。

*1:もちろん番組として成立させるためのサポートは明らかにあるのだけれど、それも強いて隠されてはいない。その正直さがまたいい。

*2:ちなみに前半の安倍なつみ矢口真里のリポートもたいへん面白かった。いちおうフォローとして