田麗玉と東義大事件

前項の補足。
田麗玉という人は、その著書によって良くも悪くもその筋では知られた人物である。なんだかんだで現与党・ハンナラ党の広報責任者の任にある。

悲しい日本人(イルボヌン オプタ)

悲しい日本人(イルボヌン オプタ)

  • 作者:田 麗玉
  • 出版社/メーカー: たま出版
  • 発売日: 1994/11/01
  • メディア: 単行本
そして、この騒動のそもそもの発端となったのはこの件である。

警察官7人死んだ東義大学事件、「民主化運動」認定を再審議へ
FEBRUARY 25, 2009 07:42

1989年、釜山(プサン)で学生デモの途中、7人の警察官が死亡したいわゆる「東義(トンウィ)大学事件」に関連して、有罪判決を言い渡された人々を「民主化運動者」に認定したことに対する再審査が進められる。

ハンナラ党の田麗玉(チョン・ヨオク)議員は24日、「民主化運動関連者の名誉回復および補償に関する法律」の改正案をまとめ、来週、国会に提出すると明らかにした。

金大中(キム・デジュン)政府と盧武鉉ノ・ムヒョン)政府で「民主化運動関連者の名誉回復および補償審議委員会」によって民主化運動と結論付けられた事件の中で、事実関係に歪曲があったかどうかを改めて判断するというものだ。

田議員は同日、東亜(トンア)日報とのインタビューで、「東義大学事件は入試不正から端を発した典型的な学内問題である上、学生らの過激な火炎瓶デモによって7人の警察官が犠牲になった事件であるにも関わらず、民主化補償審議委員会はデモ主謀者ら46人を民主化運動者に化けさせた」とし、「この地から暴力を永遠に追放し、左派勢力によって捻じ曲げられた歴史を立て直すため、必ず再審議を推進する」と述べた。

田議員がまとめた改正案は、「委員会の決定に重大な変更事由が発生した際、申請事件の審議を完了した後、1回に限って職権で再審議を行うことができる。再審議の時効は10年にする」と規定し、再審できる機会を開いておいた。

現行法は、再審議の要件を「委員会の決定以後30日以内に関連者が異議を申し立てるか、同期間内に委員会が職権で必要だと判断する場合」に限定しているため、法の改正なしには再審議が根本的に不可能だ。

02年、民主化補償審議委員会が東義大学事件を民主化運動として認めたことを受け、警察官の遺族らは憲法訴願を提起したが、憲法裁判所は「遺族は当事者でない」という理由で請求を却下した経緯がある。

同法案が成立すれば、現在、首相室傘下にある民主化補償審議委員会が東義大学事件を含め、この10年間で民主化運動と決定された事件全てに対して再審を行うことができる。

田議員は東義大学事件の他にも「南朝鮮民族解放戦線準備委員会事件」「救国学生連盟事件」「南韓社会主義労働者同盟事件」など、民主化補償審議委員会によって民主化運動として認められた事件などに対しても再審を推進するかどうか検討している。

しかし、民主化関連団体と野党は、同法案の処理に反対すると見られ、少なくない議論が予想される。

http://japan.donga.com/srv/service.php3?bicode=050000&biid=2009022541008

先にも書いたとおり、こうした動きは時代の大きな流れの一環ではあるのだが、言葉の端々から伝わってくる高揚感や陶酔感が、個人的には実にいやーな印象として残る。

もっとも、こうした〈分断と排除の論理〉こそ、揺り戻しの時代としての李明博政権期の一側面を特徴づけているのかも知れない。

経済で苦境も左派勢力排除で安定の兆し 韓国・李明博政権発足1年 (1/2ページ)

経済で苦境も左派勢力排除で安定の兆し 韓国・李明博政権発足1年 (2/2ページ)

だが、そのような行動はいずれ、再度の揺り戻しを引き寄せるだろう。時代の尻馬に乗って排除した者たちを「もとからそこにはいなかった者」としてしまうことができないのであるとすれば、である。