韓国の大学事情ニ題

地方大のロースクールだけを取り上げて論じてもあまり意味がないような気がするのですが…。というのは、首都圏のロースクールを取り上げて見てみれば、「首都圏大学のロースクールは、実質的に地方出身者のためのロースクール」という側面があるだろうことは容易に想像されるからです。

日本以上に極端な一極集中が進んでいる韓国において、地方の学生が首都圏の大学を目指して上京するという従来の一方的な流れに掉さすかのように、首都圏の学生がこのような形で地方に出るという現象は、決して悪いことではないような気がするんですけどね。

記事入力 : 2010/07/08 10:41:56
地方大学のロースクール、その実情とは
 「地方大学のロースクールは実質的に首都圏のロースクール?」

 首都圏以外の法学専門大学院(ロースクール)の今年度入学生の10人に4人は首都圏出身だということが分かった。昨年から新入生を募集しているロースクールが、「地域の人材を発掘し、法曹専門家を育成する」という当初の趣旨を生かしていないことになる。

 ハンナラ党の朴英娥(パク・ヨンア)議員が7日に公開した資料によると、江原大・東亜大・嶺南大などのロースクール8カ所の入学定員628人のうち、首都圏の高校を卒業した学生は256人で、全体の40.8%だった。円光大は首都圏出身の学生の割合が70%と最も高く、江原大と済州大はそれぞれ57.5%で後に続いた。

 全定員のうち他地域出身の学生数は383人で、全体の61%を占め、その中でも円光大の90%が最も高かった。済州大は75%、江原大は72.5%だった。他地域出身者が50%未満の大学は、釜山・蔚山慶尚南道出身者が65%を占めた釜山大だけだった。

 専門家らは、地方大学が該当地域の人材発掘というより優秀な学生を確保するのに注力しているために起きた現象とみている。一方、建国大ロースクールのキム・ヨンチョル教授は、「優秀な学生が地方のロースクールをレベルアップさせるという肯定的な側面もある」と指摘した。

兪碩在(ユ・ソクチェ)記者

http://www.chosunonline.com/news/20100708000029

一方でこちらの記事。ナショナリスティックなオナニズムの傾向は措くとしても、こうした特定分野の大学院の現況をうかがい知ることのできる情報は、なかなか貴重な気がします。

言語学分野で留学を考えている人は、このへん狙い目かも知れません。

2010/07/08 11:08 KST
大学院の韓国語関連学科で外国人急増、国籍も多様

【ソウル8日聯合ニュース】韓国語が中国や東南アジアで人気を博し、韓国の大学院で韓国語・韓国文学、韓国語教育を専攻する外国人が増えている。
 ソウル市内6大学(ソウル大、延世大、高麗大、西江大、成均館大、漢陽大)の韓国語関連大学院の現況分析によると、修士・博士課程の学生749人のうち、外国人は約31.6%の237人に達した。

 特に、ソウル大学は在学生78人中33人、漢陽大学は33人中14人が外国出身の学生で、ともに比率が40%を超えた。199人が在籍する延世大学国文科の修士・博士課程も、外国人が38.2%(76人)を占める。

 延世大大学院が春から実施している、韓国語と外国語の構造を比較・分析する「対照言語学研究」には、1科目の平均人数(10人程度)をはるかに上回る58人が殺到した。いずれもタイやミャンマーウズベキスタン、米国などから来た留学生だった。

 学界によると、こうした留学生の多くが副専攻で韓国語学や韓国語教育学を専攻しており、学位取得後は母国で韓国学科の大学教授や韓国語講師、貿易専門家などとして働く。また、以前は中国と日本からの留学生が大半を占めたが、最近はベトナムインドネシア独立国家共同体など多様化しつつある。

 成均館大学の権仁瀚(クォン・インハン)国語学教授は、「韓国語の国際的な地位が高まり、実利を求め言語を深く学びたいという需要が大きく高まった」とし、最近は古典文学など、より学術的な分野を選択する外国人もいると紹介した。

 また、政府が韓国文化を広く伝えようと、2000年代に入り「スタディ・コリア・プロジェクト」などの政策で留学生支援を増やしたことも、こうした現象の一因となった。

 国立国際教育院によると、政府招請奨学生プログラムで入国する韓国語関連専攻者の数は、2000年の7人から2006年は20人、2008年は38人と、9年間で5倍以上増加した。

 学界専門家らは、こうした外国人学生の増加は全般的な国語研究に役立つものと肯定的に評価している。

http://japanese.yonhapnews.co.kr/society/2010/07/08/0800000000AJP20100708001100882.HTML