世宗市への移転をめぐるプチ騒動

いやまあ、当事者にはそれぞれの悩みも心配もあるのはよくわかるのですが、ちょっと見方を変えてみれば、忠清南道や燕岐郡の住民をずいぶんとなめた記事にも見えてきます。

そもそも、世宗市って、東京とソウルを中心に置いて例えれば、通勤の感覚的には宇都宮や高崎みたいなもんですよ。静岡よりは確実に〈近い〉ですし、五松駅を最寄りにしてKTXが通っている分、水戸よりもちょっと〈近い〉はずです。


いくら新都市だからと言ってもこの騒ぎぶり、日本人的感覚とはいささかズレがあるように思います。

ソウル住民にとって、地方は外国よりも遠くに感じられるんでしょうかねえ。

記事入力 : 2011/10/24 12:18
世宗市計画:公務員1万4000人大移動、その悩みとは



 企画財政部(省に相当)の書記官として働く40代前半のAさんは、来年に妻と子どもを米国に送り、単身生活を始める予定だ。来年11月に同部の庁舎が忠清南道の世宗市(新行政都市)に移転すれば、単身赴任しようと考えていたため、この機会に家族を米国に送ることにした。一方、同部の40代後半の課長Bさんは、近ごろ妻との口論が絶えない。ソウル出身の妻が、子どもとソウルに残ると言って聞かないためだ。

 来年4月の国務総理室(首相室)庁舎運営チームを皮切りに、2015年までに16の中央行政機関と20の所属機関、16の国策研究機関が世宗市に順次移転する計画だ。これに伴い、世宗市に移動する公務員は1万4000人余りに達する。平均世帯員数(2.7人)を掛けると4万人近くに上り、付随施設の人員まで含めると、まさに「大移動」という言葉がぴったりだ。公務員たちの間では、ようやく移転の実感がわいてきたようだ。

 企画財政部に勤務する50代の局長は「世宗市に行っても、国会のためソウルに滞在することの方が多くなるので、長距離通勤をしようと思っている」と話した。業務量がさほど多くない女性職員の中には、世宗市への通勤のため韓国高速鉄道KTX)光明駅(京畿道光明市)の周辺に家を探す人もいる。首相室が今年2月、世宗市に移転する政府部処(省庁)の公務員を対象に調査した結果、KTXなどで世宗市に通勤すると回答した人は13%に達した。一方、単身で世宗市に転居するとの回答も41%と高く、このままいくと、中途半端な大移動になると予想される。

 年齢や夫婦のワークスタイルにより、世宗市への移住に関する悩みの内容も度合いも異なる。20代から30代前半までは、結婚が最大の悩みだ。世宗市に引っ越した場合、出会いのチャンスが減るかもしれないとの懸念は多い。そのため、来年移転予定の公正取引委員会は、ソウル事務所に未婚の事務官を優先的に配置し、結婚してから世宗市に移住できるようにする方針だ。

 30代半ばから後半、特に共働きの公務員は、夫婦のどちらかが仕事を辞めるか、「週末婚」の形を取るという選択を迫られている。中高校生を抱える40代は、子どもを転校させるかどうかが最大の悩みだ。逆に50代の公務員は気が楽だという。農林水産食品部のある局長は「週末に世宗市周辺を回って畑用の土地を探している」と語った。

金正薫(キム・ジョンフン)記者

http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2011/10/24/2011102401135.html