三星・現代と韓国の雇用

三星電子はそれでも国内での雇用にこだわってきた企業だと聞いたことがありますが、三星電子現代自動車が置かれた状況は、韓国国内の雇用のみに配慮することを許さないものになっていることは、比較的容易に想像がつきます。わざわざ韓国内で韓国人を雇う必然性は、日本企業以上になくなってきていると言えるかも知れません。

おそるべし韓国企業 日本がサムスンに勝てない理由 (扶桑社新書)

おそるべし韓国企業 日本がサムスンに勝てない理由 (扶桑社新書)

となれば、そもそも韓国企業だからと言って、三星や現代などに韓国内の雇用を期待しすぎないほうがいい、ということになります。

多国籍企業化した大企業に過度に依存しない国内雇用の創出。これは、韓国が今までおろそかにしてきたところと言えるでしょう。

記事入力 : 2012/09/04 10:55
海外雇用増やすサムスン・現代自、国内雇用に影響懸念


 サムスン電子亀尾工場(慶尚北道)は2006年まで同社の携帯電話端末の主力工場だった。同社が世界市場で携帯電話端末を初めて1億台以上販売した05年には、亀尾工場で7000万台を生産した。当時の携帯電話部門の最高経営陣は「コスト削減のため海外に生産基地を移転することはない」と強調していた。

 しかし、今では携帯電話端末の主力工場はベトナムとなった。07年に着工し、09年に本格操業に入ったベトナム工場は、昨年同社が販売した携帯電話端末の30%以上を生産した。亀尾工場の生産割合は20%以下に低下した。同社関係者は「亀尾工場は『ギャラクシーノート』など高級スマートフォン(多機能携帯電話端末)の生産に集中しているが、以前のような地位を取り戻すのは難しそうだ」と語った。

サムスン電子、海外従業員が50%突破

 サムスン電子亀尾工場の地位低下は、輸出が主力の大企業が韓国国内ではなく、海外で雇用を増やした象徴的な例だ。本紙が07年から昨年までのサムスン電子と現代自動車による国内外での雇用状況を分析した結果、国内雇用1人当たり海外で4人を雇用していることが分かった。サムスン電子は分析対象期間に国内の従業員数が1万6173人増えたのに対し、海外では6万7453人増えた。

 輸出依存度が高い大企業が海外投資を増やし、海外で雇用を増やすのはやむを得ないが、このままでは韓国国内の雇用基盤が崩壊しかねないと懸念する声も一部から聞かれる。

 サムスン電子は昨年、海外で雇用する従業員の割合が全体の50%を超えた。全従業員約22万1700人のうち、国内は約10万2000人、海外は約11万9800万人だった。10年に49.8%だった海外従業員の割合は一気に54%に高まった。海外従業員が急増したのは、海外での工場設置が理由だ。サムスン電子は昨年、東南アジアだけで1万5000人を採用したのをはじめ、全世界で約5万9000人を新規採用した。

 現代自動車も07年から昨年までの5年間で海外の従業員を50%近く増やした。ロシア工場が量産に入り、チェコ工場が増産を進めた昨年だけで、海外での従業員が5400人増えた。従業員数の伸びを国内外で比較すると、アンバランスが目立つ。5年間で国内では0.8%増にとどまったのに対し、海外では8%増加した。

■「雇用なき成長」が定着か

 サムスン電子と現代自の海外雇用急増は避けられない面があると言える。世界的にIT(情報技術)、自動車分野の競争が激化している上、各国が貿易障壁を高めているためだ。

 問題は、両社がいずれも韓国国内での投資に消極的なことだ。さらに、韓国の高賃金、硬直した労使関係が海外雇用拡大の要因となっている。現代自が中国第3工場を今年稼働させ、来年にはブラジル工場で量産を開始するなど海外生産比率を引き上げているのも、労組のストライキによる生産への影響を軽減するための動きではないかとみられている。このため「国内雇用なき大企業の成長」という構造が定着する可能性が高まっている。

 韓国開発研究院(KDI)の兪京濬(ユ・ギョンジュン)上級研究委員は「高賃金と労使問題により、これ以上国内で生産ラインを設けようとしない大企業が増えている。輸出の主力である大企業が国内での雇用をないがしろにすれば、社会的対立が高まり、結局は韓国経済にとって負担になる」と懸念した。

金起弘(キム・ギホン)記者

http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2012/09/04/2012090401027.html