2.28事件:日本人の被害と損害賠償を台湾裁判所が認める。
2.28事件をめぐって、こういう裁判が進められていたとは知りませんでした。
- 作者:何 義麟
- 発売日: 2014/09/19
- メディア: 単行本
これは、原告側も述べているような東アジアの「負の連鎖」を断ち切る、その第一歩となり得る判決だと思います。
「台湾の良心信じている」2.28事件で父失った浦添・青山さん 損害賠償訴訟きょう判決
2016年2月17日 16:30
2・28事件で父を失い、台湾政府に損害賠償を求めている青山惠昭さん=12日、浦添市内中国から台湾に移った国民党政権が、多数の住民らを虐殺した1947年の「2・28事件」で父を失った浦添市の青山惠昭さん(72)が、台湾政府に被害認定と損害賠償を求めた訴訟の判決が17日、台北高等行政法院(裁判所)で言い渡される。外国人が事件の賠償を求めて提訴するのは初めて。青山さんは「犠牲者に寄り添った公正な判断を望んでいる。台湾の良心を信じている」と話す。(社会部・嘉数よしの)
同事件は、国民党の専制支配や台湾人差別が原因で起こった住民と政府の衝突で、2万人以上の死者が出たとされる。国民党独裁政権下で長くタブー視されてきたが、民主化の進展に伴い、95年に当時の李登輝総統が公式に謝罪、政府は真相究明や補償に乗り出した。
青山さんは2013年に台湾政府の委託を受けた基金会に父への賠償を申請。事件で失踪したことは認められたが、台湾政府は(1)「慰安婦」など戦争中の台湾人に対する賠償請求に日本政府が応じていない(2)外国人賠償の法令がない−などを理由に、昨年7月に却下を通知。青山さんはこれを不服として、同年9月に提訴していた。
昨年11月とことし1月の2度、公判があった。青山さん側は、同事件の賠償条例に外国人不適用の文言がないことや、慰安婦らの戦後補償問題は同事件と直接的関連がなく、「負の連鎖を断ち切り、台湾の国際的評価を高めるためにも、積極的な補償を」と主張してきた。被告の基金会側は、政府の指示で失踪認定を取り下げた、と説明している。
青山さんは、事件に巻き込まれた県出身者がほかに3人おり、関係者が高齢化していることから、「真実を未来に残すための大事な判決になる。今後につなげたい」と語る。
同事件沖縄調査委員会代表の又吉盛清沖縄大学客員教授は、「人権問題や戦後処理、東アジアの平和に連なる訴訟。台湾の民主意識の高まりや政権交代が重なった好機でもあり、期待したい」と説明した。
日本人遺族へ賠償認定 台湾の裁判所、「2.28事件」巡り初
2016/2/18 13:52【台北=共同】台湾の国民党政権が住民多数を殺害した1947年の「2.28事件」で日本人漁師だった父を失ったとして、沖縄県浦添市の青山恵昭さん(72)が台湾当局に損害賠償を求めた訴訟の判決で、台北高等行政法院(裁判所)は18日、台湾当局側に600万台湾元(約2千万円)の支払いを命じた。判決は17日付。
台湾当局側は上訴するか検討中だが、支払いが決まれば外国人が同事件で補償を受ける初のケースとなる。事件は国民党独裁政権下でタブー視されてきたが、台湾当局は民主化に伴い90年代以降、真相解明や賠償を進めている。
青山さんは2013年に台湾当局の委託を受けた基金会に賠償を申請。台湾当局は慰安婦など戦争中の台湾人への賠償請求に日本が応じていないことなどを理由に昨年却下したが、判決は、青山さんの父を事件の失踪者と認めた以上、台湾当局は賠償に応じるべきだとした。
日本人遺族への賠償確定=2・28事件、台湾側が上訴断念
【台北時事】第2次世界大戦直後の1947年に台湾で起きた「2・28事件」に巻き込まれた日本人犠牲者の遺族、青山恵昭さん(72)=沖縄県浦添市=が台湾当局に賠償を求めた訴訟で、台湾当局は24日、上訴を断念した。これを受けて600万台湾ドル(約2000万円)の支払いを命じた一審判決が確定した。同事件で外国人に対する賠償が認められたのは初めて。
2・28事件は、台北市内の闇たばこ取り締まりで警官が発砲したことを発端に起きた。中国大陸から渡ってきた国民党政権に本省人(台湾出身者)が抵抗し、2万人以上が殺害されたとされる。日本人も青山さんの父、恵先さんを含む4人の犠牲者が判明しており、他の3人の遺族も今後賠償申請の手続きを進める方針だ。(2016/02/24-20:27)