【倉吉の風景】打吹玉川・白壁土蔵群
倉吉の上北条地区軍人墓地を訪れた時のことです。
blue-black-osaka.hatenablog.com
軍人墓地を探し当てるのに少し苦労したものの、鳥取に戻るまで少し時間に余裕ができたので、観光名所にも寄ってみることにしました。打吹玉川の白壁土蔵群。倉吉駅からだと少し距離がありますけど、クルマなら、ここの駐車場が満車でもすぐ近くの倉吉市役所の駐車場を利用できて便利です。
打吹玉川 - Wikipedia
http://www.apionet.or.jp/kankou/html/midokoro1.htm
鳥取県観光案内 とっとり旅の生情報
ちょっとした思い付きで立ち寄っただけなので、じっくり見て回ることはできませんでしたが、近世近代のいい建物を見ることができます。思ったよりも広いですね。
よく知られた豊田家住宅には入れませんでした。ただその代わりに、倉吉淀屋を中に入ってじっくり見ることができました。あの淀屋橋の淀屋ゆかりの地だったんですね、倉吉は。
淀屋の建物は最近まで共同住宅として使われていたらしく、再現補修工事を施して今の姿になったそうです。その補修跡をはっきり見せているところが面白いですね。
面白いと言えば、倉吉淀屋の近くにあるこのレトロなお風呂屋さん。時間さえあればひと風呂浴びたかったところでしたが…。
…諦めて裏道を通って戻ります。水路のあるこの裏道沿いもまた、ええ感じです。
ところで、この街並みの中でちょいちょい見かけたこれ。
何かと思ったら、こういうのがあったんですね。まったく知りませんでした。
産経新聞に紹介記事がありました。こんなことになってるんですか。へえー。
個人的な考えですけど、こういうのの成否は、「ファン心理の読み違え」がどうとかいうよりも、「彼女」たちを現実の人格ある存在と変わらず尊重する「真剣さ」を、関わる人たちが持っているかどうかにかかっていると思います。
地域振興の「手段」として雑に扱って、そこに魂が宿るわけがないですからね。
「すべての理性的存在者は、自分や他人を単に手段として扱ってはならず、 つねに同時に目的自体として扱わねばならない」
ですよ。
2016.6.17 15:00
【関西の議論】萌えキャラの胸強調しすぎ炎上も…失敗例多い「アニメで地域振興」 バーチャル都市提携、倉吉市の慎重戦略
白壁土蔵の街に集まった「ひなビタ♪」コスプレーヤーの女の子たち=鳥取県倉吉市「白壁土蔵群」などレトロな街並みで知られる鳥取県中部の倉吉市が、インターネットの音楽配信企画に登場する架空の都市と姉妹都市提携し、全国から若い人の誘客に成功している。アニメやポップカルチャーを活用した地域振興は各地で盛んだが、“ファン心理”を読み違えるなどして失敗した例も意外に多いとされる。宣伝も批判もネットに大きく左右される時代。倉吉市ではそうした点に配慮して慎重に企画を進めたといい、バーチャルと現実のはざまに位置する観光戦略の行方が注目されている。
架空の世界から発信される音楽
4月16、17日に開かれた「くらよし桜まつり♪」。普段は高年齢層の観光客が多い倉吉市の中心部に、若い人があふれた。その原動力になったのが、大手ゲームメーカー、コナミデジタルエンタテインメントが運営するウェブ連動型音楽配信企画「ひなビタ♪」との連携だ。
ひなビタ♪は曲の配信だけではなく、「倉野川市」という架空の都市を設定。そこで曲が生まれる過程も同時に届けるのを特徴にしている。
倉野川市にあるひなびた商店街では、萌え系の女の子5人が音楽で商店街に活気を取り戻そうと、バンドを組んで奮闘している。その中でできた、とされる曲が配信されているのだ。
キャラクターの女の子たちの日々の活動や思いは、ひなビタ♪のフェイスブックを通して伝えられる。ファンは架空の世界で、現実と同じ時間軸で進むキャラの創作活動をイメージしつつ、音楽を楽しめるわけだ。
市も驚いた集客ぶり
この倉野川市のモデルが倉吉市といわれている。ひなビタ♪に登場する白壁土蔵群など、建物や風景がそっくりなためだ。
桜まつり♪では、倉吉市の観光の中心にもなっているその白壁土蔵群などに、ひなビタ♪のキャラの等身大パネル23体などを配置。キャラのコスプレーヤーの撮影会なども開き、ファンが町を回遊して楽しめるようにした。
その結果、ほぼ全都道府県から延べ約6千人の観光客が集まった。キャラの声優トークショー(17日)には約1500人の定員に2319人が申し込み、ひなビタ♪のプロデューサーらのサイン会(16日)には、午前3時から行列ができ始めた。
静けさが魅力のレトロな街が若い人であふれ、一番驚いたのが運営を担った倉吉市だったようだ。観光交流課の垣原将志主事は「びっくりしました。パネルを並べたり、グッズを販売したりで、実感としては大規模なイベントをしたわけではなかったのですが…。ファンの方からは、すごく楽しかったと言われました」と話す。
「倉吉市と似ている」
今回の企画が実現したきっかけは、昨夏の市民からの一本の電話だった。「倉吉市に似ているコンテンツがありますよ」。それがひなビタ♪だった。見てみると、確かに、描かれる倉野川市の古い街並みは倉吉市に似ている。ひなビタ♪ファンの間でも「似ている」と噂になっていた。そうするうち、倉吉市内で、ひなビタ♪の作中で名物になっている「ちくわパフェ」を出す喫茶店も登場した。
折しも同市は平成26年12月、大手フィギュアメーカー、グッドスマイルカンパニー(東京)の国内初の工場が市内に完成したのを機に、27年度からポップカルチャーのまちづくりを標榜(ひょうぼう)していた。
ひなビタ♪はそんな市にとって願ったりのコンテンツで、倉野川市との姉妹提携は今年4月1日、石田耕太郎市長が記者会見して発表した。ネット上の架空都市との姉妹提携はもちろん全国初で、倉吉市観光交流課のタウンマネージャーに、倉野川市観光課のメガネの女の子キャラ「久領堤纏(くりょうづつみ・まとい)さん」を迎えた。
鳥取県では、県出身の漫画家、水木しげるさんの作品「ゲゲゲの鬼太郎」、青山剛昌さんの「名探偵コナン」などのキャラやコンテンツを活用した地域活性化策が成功を収めている。しかし、ひなビタ♪はそうしたメジャーな作品ではなく、桜まつり♪は集客見通しが「未知数」のまま実施に踏み切ったという。
「倉野川市」との姉妹都市提携を発表した倉吉市の石田耕太郎市長=倉吉市役所
「倉野川市」の久領堤纏さん(左)が、倉吉市観光交流課タウンマネージャーに就任=倉吉市胸を強調しすぎてファンから批判
ポップカルチャーを活用した地域振興は、実はそう単純なものではないとされる。
漫画、アニメなどによる地域振興に詳しい京都国際マンガミュージアム(京都市)の伊藤遊研究員によると、「一見、各地で大成功しているように見えるが、失敗例の方が実は多い」。要因の一つが繊細なファン心理だ。
例えば、岐阜県美濃加茂市では、農業高校に通う生徒たちを描いた地元が舞台のアニメ「のうりん」を活用して地域おこしをしてきた。しかし、女性キャラを使ってポスターを作成したところ、市民らから「胸を強調して不愉快」とネットで反発をくらい、回収や絵柄変更を余儀なくされた。
伊藤研究員は言う。「“聖地巡礼”(漫画、アニメなどの舞台の土地を訪ねて楽しむこと)などをする人は、人生の中で、漫画やアニメを非常に大切にしている。彼らは、自分らが大切にしている世界を壊されないために、社会的な視線には敏感。そのため、作品を好きでもない人が地域活性化のためだけに作品を利用したりすると、攻撃の対象にもなる」
「のうりん」のポスターの場合のように、ファンが大切にするキャラを世間の批判にさらしてしまったことは、ファンから攻撃の対象になりかねないのだ。
バーチャルの世界と現実
倉野川市は実際に倉吉市と景観がうり二つだが、ひなビタ♪の公式の設定では、倉吉市がモデルだとはしていない。このため、姉妹都市提携や桜まつり♪では、作品の世界と現実の世界のはざまに配慮しながら、慎重に企画を進めた。
倉吉市は桜まつり♪で1・5億円の経済波及効果があったといい、今後もひなビタ♪と連携して継続的な取り組みを進めたい意向。そこでは、ファンの人たちに現実の倉吉市の良さを深く知ってもらうことを最終的に目指している。
ポップカルチャーを生かした地域振興の試みが各地で動き始めて、まだ日は浅い。バーチャルの世界と現実がいかに寄り添い、結実していくのか。倉吉市のケースが注目される。
倉吉市に、倉野川市からやってきたキャラ
ひなビタ♪のプロデューサーらのサイン会には長蛇の列ができた=倉吉市http://www.sankei.com/west/news/160617/wst1606170002-n1.html
http://www.sankei.com/west/news/160617/wst1606170002-n2.html
http://www.sankei.com/west/news/160617/wst1606170002-n3.html
http://www.sankei.com/west/news/160617/wst1606170002-n4.html
http://www.sankei.com/west/news/160617/wst1606170002-n5.html
追記:ん?さっき出会ったネコ、もしかして、おさしみかかつおぶし…?