大邱と浦項にて

大邱西部バスターミナル近くで一泊した後、大邱浦項の両都市で似たような施設を一日かけて回る。
まずは大邱







地下鉄顕忠路駅からアプ山公園までの道のりを歩く途中にある忠魂塔・記念碑に洛東江勝戦紀念館。いずれも朝鮮戦争関連の記念施設である。
洛東江勝戦紀念館は展示室に講堂などを備えた複合施設になっている。展示内容の詳細については、私がクダクダ書くよりも、下記のリンク先を参照した方がよいだろう。いずれも的確に展示内容を説明している。

洛東江勝戦記念館
朴正煕大統領を探して(2) 大邱で反共ムードを追体験

ただ、私から付け加えることがあるとすれば、そのような施設であるにもかかわらず、2階の展示室「韓国館」のパネル展示が、非常に教科書的・正統的な歴史叙述であることに注目したい(4.19や5.16の扱い・光州事件に対する詳細な展示内容など)。1階の展示室「6.25館」で、最後に金大中金正日の会談が取ってつけたように出てくるのだが、それもおそらく、他の展示との間での論理的一貫性を優先して外す、というわけにはいかないのだろう。

そして東大邱駅からムグンファ号浦項まで移動。料金は6500ウォン、慶州をかすめて1時間半ばかりの旅情である。


ここでの目的地はこの浦項駅舎からは線路を挟んで反対側にある。線路上に架かる陸橋を渡って、しばらく線路沿いに戻るように大通りを歩いて行くと看板が見えてくる。



学徒義勇軍戦勝紀念館朝鮮戦争当時の学徒義勇兵を記念する展示室を擁する。その他に視聴覚室やセミナー室も備えており、これもまた複合施設の形態を取っている。
建物の背後にある山には、浦項地区戦跡碑と戦没学徒忠魂碑とが建てられている。余談ながら忠魂碑のある場所からの眺めはなかなか素晴らしいものがある。



このように、割とよく似たところがある大邱浦項の両施設なのだが、それもそのはず、運営主体そのものではないものの、顕忠路駅前にある大邱地方報勲庁との関係が密なことは両者とも明らかである。

例えば浦項の場合、忠魂塔のこれなんかあからさまにそのことを示している。

国家報勲処も様々な団体と関係を結んでいるが、地方でもこうした形で国家報勲の網の目が広がっているという一つの事例だと言えるだろう。