中身のよくわからない歴史博物館二題
まずこちら。下の記事だけでは、どんな展示をするのやら、肝心の中身がさっぱりわかりません。
ただ、だいたいのことを予測するための参照事例には事欠きません。独立紀念館とか、ソウル歴史博物館とか、その他にも多数。
展示技術的には最近のトレンドを外さないでしょうけど、それだけではたぶんつまんない施設になりますよ。
記事入力 : 2012/05/13 09:11
ベールを脱いだ大韓民国歴史博物館
旧文化体育観光部庁舎を改築600年の古都・ソウルの心臓部に当たる世宗路・光化門で、最近新たなランドマークがベールを脱いだ。景福宮の向かいにある旧文化体育観光部(省に相当、以下文化部)庁舎を改築してできた、大韓民国歴史博物館(8階建て)だ。韓国がこれまで歩んできた発展や胎道の過程など、韓国の近現代史を展示するこの博物館は、2010年10月に文化部が移転した後、1年半もの間シートで覆われていたが、先月の外装工事終了と共に完成した白い外壁がお目見えした。今月末に落成し、早ければ今年末に開館する予定だ。設計は、国立中央博物館や大統領府(青瓦台)などのデザインを手掛けた建築設計事務所「ジョンリム建築」が担当した。
「正直に、多くの言語を使わない“淡泊な建物”を作ろうとした」。最近、仕上げ工事が進む歴史博物館で会った金振亀(キム・ジング)ジョンリム建築代表(59)は「景福宮など周辺の歴史的な流れを考慮し、派手な建物ではなく、都市・歴史・大地の記憶を組み合わせるという役割に忠実に、つつましい建物として設計した」と語った。
このテーマ意識は「余白の美」を込めた白い外壁で表現されている。まず、既存のコンクリート製外壁の外側に、70センチ程度のすき間を開けて、長さ3.3メートル、幅28センチの白い半透明のガラス製ルーバー(気流や光の透過を調節するための板)を等間隔で取り付けダブルスキン(二重外壁)にした。障子紙を均一に貼り合わせたような外壁は、全体的に淡い白磁のような印象も与える。ガラスの外壁が日光の変化をそのまま吸収し、晴れた日と曇った日では表情が異なる。「外部と交感する感性的外皮」というのがジョンリム建築側の説明だ。
外皮は多重的な機能を果たす。ガラス板の間から従来の建物の外壁が見えるようにすることで、時間の層が感じられる「隠喩的役割」と、日光を遮断して熱効率を高める「機能的役割」だ。旧文化部の庁舎は、すぐ横の在韓米国大使館と共に双子の建物として建てられたもので、1961年に米軍が発注し、フィリピンの業者が施工した。かつて経済企画院の建物として使用されたこともある。金代表は「経済企画院は70−80年代の韓国の高度経済成長を引っ張った本山で、建物自体が韓国の現代史を象徴している。そのため、建物の形態をそのまま維持し、そこに込められた時間の痕跡を生かした」と語った。
「市民に開かれた博物館」を作ることも、主な設計のテーマだったという。50年間公共のために機能しながら大衆に対しては扉を固く閉ざしていた庁舎を博物館に改装することで、真の意味で公に還元するという思いからだ。
開放という面で中心となる空間は、建物の中央にある「歴史の街路」だ。既存の建物に別館を連結し、全体で「コ」の字型になった博物館の中心部分に当たる。北の「光化門市民ヨルリン・マダン」、南の米国大使館を結ぶ歩道であると同時に、屋外展示場も兼ねている。金代表は「機能を発揮できずにいる“市民ヨルリン・マダン”と高架橋で結ぶアイデアを提案したが、現在のところソウル市など関係機関と協議を進めている段階だ。今後、米国大使館が移転したら、この通路を米国大使館の建物まで空中で連結することも念頭に置いた」と語った。
1階、2階は市民の憩いの場として使用する目的でオープンスペースになっている。本格的な観覧は3階の第1展示室から始まり、5階の第4展示室まで続く。市民が光化門広場側の歩道からまっすぐ上がれるよう、階段も設置した。この階段を上ったところにあるカフェや憩いの場から、市民は景福宮を一望することができる。景福宮の様子は、屋上庭園や5階展示室の大きな窓から眺めることも可能。「景福宮を最も近くで、さまざまな角度から楽しめる展望台」になるわけだ。
金美理(キム・ミリ)記者
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2012/05/13/2012051300112.html
でもって、次はこちらの記事。リバティおおさかやピースおおさかを逆の例として参照すれば、何をやる気なのかは比較的容易に見えてきます。ただ、それを「うまくやる」のは、韓国と同じでなかなか難しいと思いますよ。そこまで逆参照例から学びとれるとすれば、大したものです。
法は博物館を守ってくれない - 新潟県立歴史博物館友の会のブログ
大阪市の橋下徹市長は11日、府市が運営補助金を支出する「大阪人権博物館(リバティおおさか)」(大阪市浪速区)と、府市が出資する「大阪国際平和センター(ピースおおさか)」(同市中央区)を統合させ、子どもが近現代史を学べる博物館として新設する考えを明らかにした。展示内容は、「新しい歴史教科書をつくる会」や、同会の元会員などに助言を仰ぐという。市役所で報道陣に語った。
橋下市長は「なぜ中国から歴史認識を厳しく批判されるのか。国際情勢を正しく認識するには、近現代史(の教育)が外せない」と述べ、国によって歴史観が異なる近現代史について、それぞれの考え方を学べる展示を行う考えを示した。実現時期については「(2015年までの)任期中にやりたい」と語った。
大阪人権博物館については府市が運営補助金の打ち切りを決めている。
(2012年5月12日 読売新聞)
というか、それ以前に、ここの存在を忘れていませんか?