良心的兵役拒否に対する大法院判決に対する朝鮮日報の評価

まあ、「朝鮮日報の報道」という観点からは、そんなに意外性のない記事の並びになります。

記事入力 : 2018/11/02 10:31
徴兵:宗教的兵役拒否は無罪、韓国最高裁判例覆す

 韓国大法院(最高裁に相当)は1日「宗教的信念による兵役拒否に対する刑事処罰を認めない」とする判決を下した。2004年7月に宗教的理由による兵役拒否者に有罪を宣告した判例を14年3カ月で覆したことになる。この結果、現在全国の裁判所で審議中の930件以上の同様の裁判全てで無罪が宣告される見通しとなった。

 大法院全員合議体は兵役法違反容疑で起訴された「エホバの証人」の信徒(34)に対する上告審で、懲役1年6カ月の実刑を宣告した一審を破棄し、事件を昌原地裁に差し戻した。大法官(最高裁裁判官)13人のうち9人がこの判断を支持した。

 兵役法第88条第1項には、入隊の通知を受けた人物が「正当な理由」なしにこれを拒否した場合、3年以下の懲役に処することが定められている。大法院はこれまで宗教的理由による兵役拒否を正当な理由として認めてこなかったが、今回この判断を覆したのだ。

 判決の理由について裁判長は「良心的兵役拒否者たちに対して一律的に兵役を強要し、刑事処罰を受けさせる行為は、少数者に寛容を示すべき自由民主主義の基本精神に反する」とした上で「宗教的、良心的兵役拒否は正当な兵役拒否理由に該当する」と説明した。

オム・ボウン記者

http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2018/11/02/2018110200981.html

記事入力 : 2018/11/02 10:32
【社説】宗教的兵役拒否裁判に見る韓国最高裁の空理空論

 韓国大法院(最高裁に相当)は1日、宗教的信念を理由に兵役を拒否するいわゆる「良心的兵役拒否」について、これを処罰できないとする判断を下し、審議を昌原地裁に差し戻した。憲法裁判所は今年6月、宗教的信念による兵役拒否者に対して「処罰」ではなく「代替服務」ができるよう指示し、現行の兵役法を憲法違反とする決定を下した。大法院はここからさらに一歩踏み込み、宗教的信念を兵役拒否の正当な理由として認めたのだ。

 大法院は判決理由について「良心的兵役拒否者に対して一律に兵役を強要し、刑事処罰を加えるのは、少数者に寛容を示すべき自由民主主義の基本精神に反する」と説明した。大法院は2004年、全員合議体の判断で良心的兵役拒否を認めなかったが、それから14年でこの判例が完全に覆された。最近は重大な問題に対する裁判所の判断が次々と覆されているようだ。

 宗教的信念などを理由に徴兵を拒否し、刑務所に収監されるケースは毎年数百件に上るという。彼らを刑務所ではなく消防署や社会福祉施設などで勤務させるべきとする意見があるのも事実だが、現実的にそれが可能かどうかは検討が必要だろう。しかし大法院は今回の判決を下すに当たり、今大韓民国が安全保障上いかなる状況に置かれているか、一度でも真剣に考えたのだろうか。現状は平和が訪れたかのように見えるが、実際は北朝鮮朝鮮人民軍が目と鼻の先から韓国を狙っている。朝鮮人民軍は正規軍だけで120万人を擁し、その上核兵器や生物化学兵器も所有している。

 このように深刻な状況に置かれていない国であれば、今回大法院が判決理由とした「少数者への寛容」も尊重されるべきだろう。しかし大韓民国は今そんなことを言える状況にあるのだろうか。今回の判決を見ると、今この国は安全保障上の危機を現実の問題として受け止めず、完全に空理空論に走っているように思われる。全ての問題が「まさか戦争など起きるはずはない」という心理に基づいて判断が下されているようだ。

http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2018/11/02/2018110200982.html

記事入力 : 2018/11/03 09:31
【萬物相】幼稚園化した韓国軍

 韓国軍で警備小隊長を務めていたとき、夕方の勤務を命じられた。訓練がある昼間の勤務は先任の下士官が務めた。上官に、訓練の指揮を下士官にばかり任せてもいいのかと尋ねたら、「小隊長は兵の事故予防のための面談に神経を使え」と言われた。実際やってみると、弟分の兵士から困っていることを聞いてやり、励ますのが仕事だった。

 当時の部下面談では、勤務する哨所を変えてほしいという要求が多かった。「高速道路ばかり見ていて憂うつ」「自分がなぜここにいるのか分からない」といった理由だった。「肉体的につらい」という声はまれだった。大部分は「がんばって勤務しろ」となだめたが、「子どもが苦しがってる」という両親の連絡まで来たら、上層部では「休暇を出せ」と言った。脱走事故よりはマシということだった。

 韓国陸軍の新兵教育隊では、3年間も手りゅう弾の投擲訓練を中止していたという。手りゅう弾の爆発事故で人命被害が生じたことを受けて訓練を中止し、その後、実戦で一度も手りゅう弾を投げることなく除隊する兵士がほとんどということだった。野外訓練で顔に塗る擬装用のドーランも、兵士たちが「肌が敏感だ」といって拒否したらどうしようもない雰囲気だという。軍の幹部らは「自分が軍人なのか、幼稚園の先生なのか分からない」と舌打ちしている。実際、兵士から「おじさん」と言われる幹部もいる。

 韓国軍がこうなったのは、兵士の保護者の過激さも一つの原因だ。少しでも実戦に近い訓練をすると、保護者が陳情を出すという。米軍のように悪天候の中で訓練をするというのは夢見ることもできない。実弾射撃訓練も、実戦の状況とはまるで関係ない、事故予防方式で行う。保護者と小隊長が連絡を取るカカオトークのグループチャットルームまでできた。専門家らは「軍人には精神的自立が欠かせないのに、軍隊に来ても保護者が介入し続けるので独立が難しくなる」と語った。

 韓国軍内部にはびこる保身主義も問題だ。軍幹部らは、訓練の内容ではなく事故時に問責されることをまず心配する。徴兵制の限界だとみる分析もある。英国軍は職業軍人からなり、アルゼンチン軍は徴集兵を中心としていたが、両軍がぶつかったフォークランド紛争では英軍の圧勝だった。8年前の延坪島砲撃挑発で、ヘルメットに火がついたとも知らずに対応射撃を行った海兵隊員もまた、徴集兵ではなく志願兵だった。韓国は、核武装した北朝鮮軍120万と対峙している。そんな国の軍隊が、3年間手りゅう弾の投擲訓練すらしなかったとは言葉を失う。これも全て「米軍がいるから戦争は起きないだろう」という心理が下敷きになっている。しかし2015年の地雷挑発のときには、多くの兵士が除隊を延期して国防の義務を尽くした。こういう兵士の方がはるかに多いと信じたい。

崔慶韻(チェ・ギョンウン)論説委員

http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2018/11/03/2018110300515.html

でも、翻訳されていない下の記事のほうは、そうした枠を若干はみ出していて、ちょっと興味深いです。「兵役義務の不公平への異議表明」を向ける先が、兵役拒否者ではなく女性に向かう、というのは、それはそれで筋が通っていますしね。

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見出しで取り上げられているのはイルベですけど、彼らだけの声ではない、ということをうかがわせる内容になっています。

'병역거부' 판결 반발큰데, '환영'하는 일베, 왜?
최지희 기자 입력 2018.11.02 11:49 | 수정 2018.11.02 16:15

종교적·양심적 병역거부에 대해 대법원 전원합의체가 ‘처벌할 수 없다’고 판단했다. ‘군 필자들’은 강하게 반발하고 있다. 그런데 남성의 이익을 중시하고, 여성 혐오 경향을 보이는 인터넷 사이트에서는 이 판결에 환호하고 있다. ‘예상’ 밖의 일이다.

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지난 1일 오전 서울 서초구 대법원 대법정에서 이른바 ‘양심적 병역거부’ 사건에 대한 대법원 전원합의체 선고 공판이 진행되고 있다. /뉴시스

지난 1일 대법원 전원합의체는 현역병 입영을 거부했다 병역법 위반 혐의로 기소된 ‘여호와의 증인’ 신도 오승헌(34)씨에 대해 "병역의무 강제는 양심의 자유 본질을 위협하는 것"이라며 사건을 무죄 취지로 창원지법으로 돌려보냈다.

2일 극우 성향의 인터넷 커뮤니티인 ‘일간베스트 저장소(일베)’에는 이번 판결에 대해 "남성 인권을 생각하며 처음으로 쏘아 올린 공"이라는 게시글이 올라왔다. 남성들만 ‘독박 국방의무’를 씌워서는 안 된다는 취지다.

‘양심적 병역거부 무죄 판결이 옳은 이유’라는 제하의 글에서 글쓴이는 "국가 존립의 의미로 모든 국민이 군대를 가야되는 건 맞지만, 남성에게만 군대를 강요해서는 안 된다"면서 "남성들만 2년간 군대에서 공(公)노예로 희생되고 있다. 이미 남성들에게만 독박을 씌우고 있는 것"이라고 주장했다. 게시물에는 동의하는 내용의 댓글이 130여개 붙었다.

"애초에 남성만 군복무 시키는 것 자체가 위헌" "모든 국민은 평등한데 그 의무를 남자만 지는 게 말이 되느냐" "이제는 군대에 가는 놈이 바보"라는 의견이 나왔다.

‘독박 병역 반대 집회’를 열자는 제안도 나왔다. 일베 회원들은 "여자들도 군대 징집을 할 계기가 될 것" "1만명 이상 모이면 효과가 있을 것" "정부도 남자들의 이런 시위에 굴복할 수밖에 없다"라며 동조했다.

어떤 이유가 됐건, ‘병역의 의무’ 면제 조항이 생겼다는 점에서 남성주의자들이 환영의 뜻을 나타내고 있는 것이다.

‘독박 국방’에 대한 불만은 여성혐오 커뮤니티에 한정된 이야기가 아니다. 이날 현재 청와대 국민청원게시판에 올라온 "양성(兩性) 모두 국방의무를 져야 한다"는 취지의 글은 50여건에 달한다. 이 가운데 ‘여성도 의무 이행에 동참하도록 법률개정을 해달라’는 게시글에는 8만 3200여명이 동의했다.

청원인은 "징병이 남성에게만 부과되었기 때문에 30년 넘게 저출산은 심각하고 병역자원은 부족한 상황"이라며 "남녀간 차별을 없애려면 여성도 남성처럼 국방 의무를 이행하도록 법률을 개정해달라"고 적었다.

그간 남성들 사이에서 ‘병역거부자’는 이탈자로 간주되어, 부정적인 시선을 받아왔다. 그러나 최근 들어 이 같은 흐름이 역전, 도리어 남성들 사이에서 환영의 목소리가 나오는 것이다. 설동훈 전북대 사회학과 교수는 "병역 의무를 진 남성들 사이에서도 ‘독박 국방은 불공평하다’는 인식이 확산하고 있다"면서 "성대결 양상으로 이슈가 옮아가면서 ‘양심적 병역거부’를 환영하는 목소리도 나오는 것"이라고 말했다.

곽금주 서울대 심리학과 교수는 "그동안 양심적 병역거부자가 소수의 집단이었으나 이번 결정을 계기로 대중들은 사회적으로 인정받은 ‘집단’이 됐다고 받아들인다"며 "일부 남성들 중에선 그 집단에 소속되면 자신에게도 하나의 기회가 올 수 있다는 기대 심리가 작용한 것"이라고 분석했다.

http://news.chosun.com/site/data/html_dir/2018/11/02/2018110201498.html