戦争記念館はさらに先へ

定期的な観察活動ということで、三角地へ。

前回やっていた環境整備工事が終わり、塀に囲まれて軍事車両展示に埋まっていた前庭は、開放的で緑の多い空間に生まれ変わっていました。

で、相変わらず革新を続ける進歩的な戦争記念館の展示ですが。

今回の大きな変化は、「6.25戦争室・3」の改装の完了です。これで「6.25戦争」の展示の改装がすべて終わったことになります。

新装なって大きく模様替えしたここの展示は、主として国連軍に関するものです。したがって、実は朝鮮戦争に関連があるわけではないのですが、韓国ゆかりのこの人物の顔と名前を目にすることになります。


もちろん、そんなところに目くじらを立てても仕方がないのですが、以前は別の用途に使われていたところに新設されていた「6.25戦争指導室」のこちらの展示になってくると、これでいいのかとさすがに心配になります。



ただ、観覧者からしてみればそれよりも大きな変化は、全エリアの全展示について、スマホを使ってウェブ経由で説明を読むことができるようになっていたことです。ためしにQRコードで読み込んでみたら、目の前の展示の日本語の説明が即表示されました。

こういうシステムの導入には、何よりもまずお金がかかりますから、戦争記念館にはそれを導入できるだけの余裕がある、ということでしょう。相当のお金をかけないと、こんなもの作れません。カツカツの予算で運営しているところ*1には到底無理な話です。



戦争記念館は一時、展示パネルの4か国語化(韓・英・日・中)を頑張って進めていたのですが(当時のパネルも場所によっては残っています)、最新の展示については、タイトル・ヘッドラインのみ4か国語化されていて、説明文は韓英2か国語になっているところも目につきます。それはおそらく、こうしたネット上での対応と、「6.25戦争室」を中心に大量に導入されているタッチパネルの4か国語化によって事足りると判断されての措置なのでしょう。




ちなみに、こうしたタッチパネル導入によって、かつてそこで見ることのできた4か国語対応の動画がディスプレイごとなくなってしまっています。

が、実はその大部分は、これも新たに作られている「情報検索室」のタッチパネルで見ることができます。



そして、こうしてどんどん革新が進んでいくということは、そうした最先端の展示エリアと、開館以来ほとんどほったらかされて古びていくエリアとの二極化が、さらに進行しているということでもあります。

先史時代はまあいいとして、朝鮮時代から日帝強占期、そしてベトナム戦争を中心とした海外派兵室、はたまた開館以来まったく変化しているように見えない大型・防産装備室。現在の軍の関心のあり方がそこには反映されているとはいえ、ええ加減もうそろそろどうにかした方がいいような…。


まあともかく、相変わらずここは観察し甲斐のあるところです。


*1:釜山の民主公園とか…。